Guest come __客人___
第二話でごぜぇます。
主要キャラが揃います。
「そういやそろそろ話題のエロゲ『よわきす』が発売するらしいじゃん。あれさ、どうなんかな。抜きゲー?バシで予約しようかな」
「俺は抜きゲーよりストーリーが濃いエロゲの方が好きな訳だが。てかさ、海斗…女の子連れて行ってエロゲがどうとかは…」
「だから女であるカエサルに来られると行動範囲が狭まって困るんだよ…。アイツ、毎回バシ行くって言ったらついて来やがる。今度からは何も言わずに勝手に二人でいってやろうかフヒヒ」
「だが断る」
ケロリンのネットスラング発言に、思わず怒号を飛ばそうかと思ったが、努めて俺は平静を装った。相変わらず俺は演技が美味いな。惚れ惚れする。あ、ナルシストではないぞ。
二人だけで__つまりカエサル抜きで__バシに行くことが出来れば、エロゲだって買えるしメイド喫茶だって長居してもいいし、どれだけ自由だろう。
いつもいつも彼女に来られるから行けないのだ。流石に女の前でエロゲ購入やらメイド喫茶満喫とかは…。自宅警備員までにジョブチェンジして最高の__ある意味最低の__職業を掲げている俺でもヒく。
ふっ、と心の中で自分は不幸だなぁ、と呟く。ついでにアフリカの難民達と同じ位不幸だなぁ、とも呟く。
本当のところ、慣れてしまえばいいと言うだけではないのだ。もっと難しい問題である。それも解決できそうにない。
何を隠そう、一度カエサルにエロゲ___ケロリンから借りたもの___をしている所を見られてしまったのだ。だから余計にエロゲだとか、ギャルゲ関連な物はあいつに見せたくないのだ。日本橋なんか、メイドさんのティッシュ配りなんかは歩く__さらに避けられない__強敵である。
しかも運悪くも謎キャラ糞BBAとのHシーンの最中に鍵を閉めたと思っていた背後のドアからカエサルがノックも無しに入ってきたのだ。まったくいくら幼馴染とはいえ異性の部屋に入る時くらいノックはしてもらわないと困る。いや、まあエロゲをしていたのも悪いだろうけど…。
ケロリンが貸す予定だったのは『おねがいおにぃちゃん♪』だったそうだ。しかし、俺に貸されたのは『老婆の花園』であった。手違いらしい。どうもゲームインストール画面から既に異様な空気は察知出来たのだが…。ケロリンのオススメと聞いていた俺は半信半疑で進行してしまったのだ。
数日後。ケロリンにエロゲを返して、『なんだこのクソゲーは!?』と怒号を飛ばしたのだが、
『あれっなんでそれ持ってんの?俺が貸したのは[おねがいおにいちゃん♪]だったはずじゃ?』
『なにがおねがいおにいちゃん、だ!?ババアが出てたじゃないか!?』
『あっ。間違えた。これ伝説のクソゲー[老婆の花園]だったわ…。これレアなんだよね。人気なさすぎで』
だそうだ。もうコメントもできん。はっきりいって今もそのことに関してはケロリンを許していないし、これからも許さない。それどころか復讐してもバチは当たらんだろう?ヤツの部屋にカメラを設置してエロゲしてる所を撮影してカエサルに見せてやろうか。
元凶はこいつの他に誰がいるんだ。
いや、でも仮に借りていたのが[おねがいおにいちゃん♪]だったとしてもカエサルにプレイしている所を見られるという事象は回避できなかったかも。
あるいは、バタフライ効果により、結果は大きく変わっていなかも。バタフライ効果については自分で調べてくれ。それについてはドラえもんでも居ないと確認できないな。
そう言えばどんな用件であの時カエサルが俺の部屋に来たのかまだ聞いてない。流石に『2年半前にカエサルが俺のエロゲをしてる所を見たときの用件はなんだったのか』とは聞けないし、もうそのことには興ざめしてるし。思い出したくもない。
この後の展開まではもう恥ずかしくて言えない。想像でもなんなりとしておけ。
___さておき___。
本当にカエサルのこと、どうしようか。今日3人で___もちろん俺とカエサルとケロリンである___バシに行く約束をしてたのに、一向にカエサルが来ない。まあ本当はカエサルがくる予定なんてのはなかったのだが。
でももちろんカエサルを置いていくと言う話なんて、冗談である。仕方ないのである…。
「電話かけてみっか」
俺の発案に、ケロリンは少し頷いた。
よし。と俺はすぐさまポケットの中の携帯を取り出す。
因みに、俺の使っている携帯は昔からガラゲーだ。といっても昔はガラケーしかなかったが。今はスマホが普及し始めていて、俺は買ってもらえていない。更に言うと、ガラケーが普及し始めた頃も俺は買ってもらえなかった。どうやら俺の両親は『新しいものは贅沢品』という戦時中の精神でも持ち合わせているらしい。いやでも、俺が幼かったからというのもあるか…?ゲーム関連は自分で何とかできるのだが___少々痛手だが比較的安価なのでな___、携帯だと月額料金が発生する為、息子という被管理者に決定権は確実にないのだ。
後期モデルだから、ガラケーとしてはかなり性能もいいんだろうが、___ブルーチースやタッチパネル等の機能も備えていたりする___やはりスマホが欲しい。だが、スマホを俺が自分の金で購入したとしても___購入資金が俺のバイト代であったとしても___スマホとガラケーだとプランが違ってくるので通信し放題のサービスに契約してもらうのはほぼ不可能である。贅沢だが、定額サービスでないとスマホの意味がないと俺は考えている。家に高速回線のwi-fi位は設備されているが、どこでも使えるという点には対応していない。だから可能な限り3Gで高速回線のサービスに契約したいのだ。
世の中の人間の持つ携帯が日に日に増えていくのにも関わらず、俺だけ。ついでに言うとケロリンもカエサルもスマホだ。更についでに言うと両親も。精神攻撃か。『泣かぬなら、泣かせてみましょう、ホトトギス』であるか。だが、泣いて許されるならそれも本望である。
親に頼んだり____。
なんて出来ない。
今の俺の立場は最高峰のジョブ___自宅警備員であるから、親からの愛想もかなり薄い。その状況下で『スマホ買って』などとウツケ発言が出せる訳ないのだ。いや、日頃から地味に交渉するチャンスを待っていたりするのだが。タイミングは、両親がスマホの話をしている時などが実に割り込みやすい。何気ない感じで『いいなー俺もスマホ欲しいなー』と呟く感じで言う程度が望ましいな。
____凄くどうでもいい余談はさておき____。
携帯内の電話帳から、カエサルの名前を引っ張り出す。そして美恵の名を見つけると、カーソルをそれに合わせ、発信ボタンを押し____。
___ピンポーン___。
指先に急ブレーキをかける。まだ発信ボタンは押していなかった。カチッとガラケー特有の音が鳴らなかった、というより感触がなかった。
___ちょっと!海斗~ケロリン~。いる?遅れてごめ~ん!なんで窓閉まってんのー?こんなに暑いのに~。窓開いてたら叫んで呼べたんだよー?___。
元気な声が耳に入る。安物のスピーカーみたいに音が乾いて聞こえた。なにやら先刻防音対策として閉めた窓のことでも言っているふうに聞きとれる。
明らかにドアの向こう側からの声だ。ドアの外からの声だからこっちには乾いて聞こえるんだ。
更に、聞き覚えのある声。どうやら、ビンゴだな。
カエサルの登場です。
このキャラは、明るい気さくな少女にしたいと思ってます。その方が私が好きだから…
なので、主人公海斗は糞ニート
ケロリンはバイト(今はそういう設定であります)しながら親と一緒に暮らしてる。
カエサルはまだ学生。学校が終わるとすぐに暇な主人公達と遊びに行ったりする…と。
彼等の関係は、幼馴染です。
カエサルと海斗が一番古い旧友関係です。その後にケロリンと出会い、今のような構図になったと。そういう感じです。
まぁカエサルが大事な位置にいるのでカエサルのことをかなり描くと思われます。その脇にいる支え役がケロリンなのです。