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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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90.魔神竜も舎弟化



 船旅の途中、魔神竜ヴィーヴルというわけわかんないドラゴンにからまれた。

 面倒だったので無限爆裂ポーションで痛めつけた結果……。


「さーせんした!」


 私の前には、紫色の髪をした、女が正座している。

 長くつややかな髪に、真っ赤な瞳。

 

 側頭部からは角が生えていて、垂れ目。


「だれ?」

「ヴィーヴルっす……はい……」


 爆裂を食らわせていた、この魔神竜が根を上げたのでやめてあげた。

 爆煙が収まると、こうして人間姿になったヴィーヴルがいて、土下座していたってわけ。


「なんで人間の姿になれるわけ?」

「……高位のドラゴンは人になれると、文献に書かれておりました」


 さすがエルフのゼニスちゃん、物知り。


「じゃあこの気弱そうな姉ちゃんが、あのゴツいドラゴンと同じ存在って訳ね」

「そーっす……」


 しかし人間の姿だと可愛いわねこの子。あのくそでかドラゴンと同じとはどうにも思えん。


「ん? てゆーか、あんた魔神なの?」

「そーっす。原始の七竜神(ピュア・カラーズ)が一人、紫のヴィーヴルっす!」

「ぴゅあからーず……」

「白のロウリィ、黒のカルマアビスについで、有名っすかもね」

「誰も知らん」

「が、がーん! しょんにゃあ~……」


 ヴィーヴルのやつが三角座りして、めそめそ泣いてる。


「いちおう、世界を一度救ったことあるんすよぉ……」

「へーすごぉーい」

「まるで信じてないっすね!?」


 当たり前だ。あったばかりの人の言うことなんて誰が信じられる?

 人じゃあないけど。


「うう……ひでーっす……人間ってどいつもこいつも酷い奴らばっかっすぅ……」

「え、滅ぼす? じゃあ滅ぼすけど?」

「勘弁してくださいお願いしますっす!」


 私の前で土下座するヴィーヴル。


「ち、まあやろうと思えばいつでもやれるし、生かしておいてやるか」

「マスター、完全にチンピラの台詞です」


 さて、こいつをどうしよう。


「できれば見逃して欲しいんすけど」

「でも魔神なんでしょ? ほっといてあとで人間の里とか襲ってきたら、寝覚め悪いんだけど」

「しねーっすよ! 自分、正義の味方なんで、世界救った英竜なんでっ」

「ほーん」

「やっぱり信じてない!?」

「うん、信じてない。つーか、私程度にやられてる分際で、なにが世界を救った英竜よ」

「あんたが強すぎるんすよ……!」


 強い?


「へい、奴隷ちゃんズ。あむ、あい、すとろんぐ??」

「「「いえーす!」」」「なぜ英語なのでしょう……?」


 ううむ、まあ奴隷ちゃんズがそう言うのだったら、そうなのかもしれない。


「でも私自身はか弱い乙女だからなぁ」

「魔神竜ぶっ飛ばしておいて、か弱いはギャグにしか聞こえないっすわ……ぎゃんっ!」


 ヴィーヴルのケツを蹴り回す私。


「マスター」

「なによ?」

「ケツを蹴り回すのはおやめください」

「あら意外と常識人な発言」

「蹴り回すのでしたらワタシのおしりを是非」

「前言撤回非常識ロボな発言ね」


 まあでも子供である奴隷ちゃんズが見てる前で、あんまりはしたないことしちゃね。

 教育に悪い。


 しかし……どうしたものか。

 このドラゴン。ほっとくのもなぁ。


「殺すか」

「ひぃいいい! 命だけはご勘弁をぉおおおおお! 何でもしますのでどうか!」

「ん? 今何でもするって言った?」

「はいっすぅ~……」

「よし……じゃあ、あなた、今日から私の舎弟になれ」

「うぇ!? しゃっ、舎弟っすか!?」


 驚くヴィーヴルに私が説明する。


「私はあんたをまだ信用したわけじゃないわ。今すぐここで爆破するべきだと思ってる」

「ひぃ……! 命だけはご勘弁!」

「しかし生かしておいて、私の目の届かないとこで暴れられても困る」


 こいつを殺す力を持っていながら、ほっといて、あとでこいつが暴れたとき、責任追及されたくないものね。


「そこで、しばらく私の下で働きなさい。安全だと思ったら解放してあげる」

「そ、それって……パシリしろってことっすか?」

「端的に言えばそうね。どうする? パシられる? それとも、今ここで木っ端みじんになる?」


 にっこり。


「ひぃい! パシリになりますぅう!」


 こうしてパシリ2号をゲットしたのだった。


 

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― 新着の感想 ―
[気になる点] まだ出てない人もいるけど、実力は師匠の次で世界で二番目ぐらい強いのかな(笑)ポーションこみで。
[良い点] またも増える舎弟ズ!! 何か世界の縮図が・・((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル
[気になる点] 他作品と話が繋がっているのかどうか全くわからない。同じ名前のキャラや商会、ギルドが出てきてるけど時代などがぜんぜん違っててわからない。
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