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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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73.経緯と新しい厄介ごと



 さてなぜ私が奴隷ちゃんズと水着でうっはうはバカンスしてるかというと……。


 フォティアトゥヤァの王都で、馬鹿師匠(母)と、ロボメイド(娘)とが実に無意味なバトルをした。

 うちのロボメイド、シェルジュさんの怒りのロケランによって、王都は壊滅。


 まあ私の修復ポーションと転移ポーションのおかげで、けが人ゼロだったし、街は元通りだったんだけど……。

 その後のこと、考えてみ?


 事情の説明とか、ちょーめんどくない?

 しかもやらかした馬鹿2名は私の関係者だ。追求は逃れられない。

 

 いくら直したからって、街をいきなり爆撃したら……そりゃ怒るでしょ?

 ということで私はさっさと街を離れることにしたのだ。


 そもそもこの南の島国フォティアトゥヤァに来たのは、天導教会とかいうやつらの、聖騎士から逃れるためにきたはずだったのに……。

 気づけば新しいトラブルに巻き込まれ、全然休めてない……!


 私は今回の騒動の元凶に、慰謝料を請求した。

 その結果、私は師匠の工房のひとつを、もらい受けることになったのである。


「バカンス用の無人島ゲット……!」


 私は浜辺でパラソルをたて、ビーチマットを敷き、そこに仰向けに寝ている。

 日焼けを防ぐポーションをぬりぬりしたので、何も気にせずこの太陽の下に素肌をさらせるのだ。


 まあダンジョンいろいろあったけど、収穫はあった。

 

 珍しい魔道具は手に入ったし、奴隷ちゃんズに対する私の思いも再確認できた。

しかも師匠から柔らかい石もぶんど……こほん、分けてもらえた。言うことナッシン。


「シェルジュ~。トロピカルドリンク作って」

「はいはい、わかりましたよ。やれやれ、マスターはワタシがいないと何もできないんですから」


 そんなことはない。

 面倒なことをしたくないだけだ。


 シェルジュはトロピカルドリンク作りに、一度離れる。


「で? そこで出歯亀してる馬鹿師匠は、何をしてるんですか?」

「おお! よくぞわが隠蔽を見破ったな! さすがじゃな!」


 すぅ……と景色に溶け込んでいた師匠が、姿を現す。

 多分光の魔法を使って、見えなくしていたのだろう。


「わしの迷彩を見破るその眼力は見事な物じゃ!」

「はいはい……で?」


 私は師匠をじとっと見やる。


「で? とは?」

「あんた……私に何させたいわけ?」


 きょとんとした表情から一転、にんまりと笑う師匠。


「さすがじゃな。わしの真意を見抜くとは」

「まあ付き合いが長いですからねー……っと」


 この放浪癖のある師匠が、まだこの場に残ってる時点でおかしい。

 前回の騒動が終わったタイミングで、後処理とか全部私に押しつけて、逃げるかと思った。でも、そうしなかった。


 それは私に用事があるからにほかならない。


「見事な推理じゃ! 名探偵もびっくりじゃのう」

「はは、殴っていいですか?」


 ぼぐぅ!


「せ、セイ……よ。結局殴るなら、断りはいらないのでは……?」

「で? なんですか?」

「ふっ……スルーか。わしはその、独善的なところが、好きじゃよ」


 なにが独善的か。

 私は協調性の塊のような女でしょ? ねえ?(迫真)


「用事が無いなら消え失せてくれませんかね。あんたがいると、うちのシェルジュが機嫌悪くて仕方ないんですけど?」

「ううむ、まだわし嫌われておるのか……なぜそんなキレてるのじゃろうなぁ」

「はは(乾いた笑み)」


 この人、ほんと人の心ないよね。


「前振りが長くなってしもうたが、本題じゃ」


 師匠が胸の谷間から、1枚の封筒を取り出す。

 しゅっ、とそれを私に投げてきた。


 私はパシッと受け取る。


「で? これなに?」

「ちょ~っとばかり、セイにお使いをお願いしたいのじゃ♡」


 ……まーた、厄介ごとの気配ですよ。やれやれ。


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― 新着の感想 ―
[一言] 毎度毎度の誤字脱字報告 新作も良いが、推敲してから投稿する様に
[一言] うちのシェルジュが「期限」悪くて仕方ないんですけど? ロボメイドさんの【機嫌】悪いのは『期限』付き?そろそろ機嫌直してシェルジュさん(笑)・・・と言う事で正しくは【機嫌】です。
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