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【完結】天才錬金術師は気ままに旅する〜500年後の世界で目覚めた世界最高の元宮廷錬金術師、ポーション作りで聖女さま扱いされる〜  作者: 茨木野


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182.緊張ほぐしメイド



 私は災厄の波を止めるべく、ロボメイド・シェルジュとともに、天を目指す。

 護神像ごじんぞうの運転はロボに任せ、私はひとり黄昏れていた。


「どうしてこうなった……」


 護神像ごじんぞうの中はちょっとしたホテルのようになっている。

 ソファに深く腰を下ろした状態で、私は窓の外を見やる。


 護神像ごじんぞうからはポーションが常に散布されている。

 魔除けのポーション(強化)だ。


 それに触れた瞬間、魔物は一瞬で消える。


「凄いポーションですね、あれ」


 シェルジュがナチュラルに、私の隣に座り、首の後に腕を回してきた。

 私は距離を取る。


「なんで距離取るんですか?」

「近いのよ……恋人でもあるまいし……」


「二人きりですね♡」

「うざ……」


 このロボ、周りに誰もいないのをいいことに、からんできやがった。

 距離を取ったのに、またくっついてきた。うざぁ……。


「好きなくせに。わかってるんですからね、ワタシは」

「はいはい……。で、あのポーション? 魔除けを強化したのよ」


「もはや魔除けって言って良いかわからないレベルですね。兵器ですよあれ」

「そう?」


 錬成工房(持ち歩き可能)で作るポーションと違い、きちんと、工房で作ったポーション。

 その効果は、普段使っている上級ポーションの比ではない。


 魔除けポーション(強化)もそのひとつだ。

 他にもいくつか、凄いポーションを作ってきてる。


「これがあれば師匠も……」


 とはいうものの、本当に師匠を助け出せるかは未知数だ。

 私はあの人の弟子であって、あの人では無い。


 今のあの人で対処できない難題を、はたして、弟子が解決できるだろうか……。

「大丈夫ですよ、マスター」


 にこっ、とシェルジュが笑う。


「マスターは強いです。だから……大丈夫です」

「…………」


 ったく、このロボめ。

 普段ウザいくせに……。慰めてきやがってさぁ。


 うん……そうだ。

 このロボの言うとおりだ。


「私は強い! だから勝つ! 奴隷ちゃんズのために……!」


 波をどうにかしないと、奴隷ちゃんズとの気ままな旅を再開できないからね!

 さっさと波を破壊してやるぜ!


「その意気です」

「ふん……えらっそうに……メイドの分際で、上から目線やめてよね」


 まあ、気持ちはラクニなったけども。

 絶対に言わないけども。


「マスターからツンデレ粒子を検知! マスターはシェルジュのことが大好きレベルマックスと!」


「な、なーにいってんだか。あんたのこと好きなわけないでしょ……」


 まあ嫌いでもないけどさ。

 するとシェルジュがまたうざメイド顔になると、絡んでくる。


 ええい、緊張感のないやつめ。

 ……まあ、おかげで緊張がほぐれたけどさ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 製薬に限り師匠越え、ただし師匠はその他もろもろも万能 みたいなことになってそうではある
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