表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

5月 第1週 (1)

.................


5月の空気は独特で嫌いじゃない

さわやかな天気と、緊張のほぐれた雰囲気が合わさって無気力感がそこら中に溢れてる


月初めの朝礼で、自販機のラインナップについて学校側から規制が入った

これじゃ緩んだ気持ちを炭酸で引き締めるのができない

新聞部の先輩は、「ここ数年でもっとも気の抜けている時期になりそうだ」と評価してた

...ボージョレ・ヌーボーかよ

アレはそんなに悪いこと書かないけどさ


でも僕自身やる気が出なくなってきてしまった

取材なんてホラ吹いて校舎周りの散歩中だ

ちらほら同じようにサボってるらしい人が居る あれは先生か やっぱり皆だらけるんだな、この時期は

ふらふら歩いていたら、サボりのたまり場として人気な校舎のはずれに来ていた


ボーッとして立ち止まっていると、後ろから来ていた人とぶつかってしまった

女の子だ 確か二つ隣のクラスだったかな

四月の人気部活アンケートで同学年を回った時に見かけた気がする

あんまり目立つ娘じゃない感じだなー

「す、すみません!」

そう言いながら彼女は駆け足で走り去っていった

ふと足元を見ると、缶ジュースとレシートが落ちていた

彼女の物だと思ったけど、返そうにももう姿は見えないし、走るのもめんどいから、貰ってしまおう


五月病の空気を吹き飛ばすような強烈な違和感が、レシートからやってきた

あの娘、昨日の放課後に近所のスーパーでこのジュースを買ってるらしいけど...


さすがに50本は多過ぎるって!

スーパーのオリジナルブランドで、多少安くはなってるけど!

あの娘わりと小柄だったぞ!そんなに飲めねぇだろ!

あの娘確か文化部だし!

業者じゃあるまいし!



頭の中でツッコミを入れてる内に、だらけた脳みそが回ってきた。

あの娘はおかしい

絶対ウラがある!

気づいた時には、ジュースとレシートを握りしめて走り出していた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ