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導入 某年の生徒文集に載せられたレポート

もしこの一連の出来事に興味を持っていて、あわよくば君の学校で「アル・カポネ」のマネがしたくてこの本を手に取ったのなら、君はあさってへ向かう努力家だろう。


私は一人の生徒だ。

新聞部に所属し、図書委員会の端役に就き、特に目立つこと無く3年間を過ごした。

名前は書かない。

この話の主役である「アル・カポネ」は、一人で浴びるには多すぎる羨望と怨恨の眼差しを受けた人物でありながら、入学から一度もその正体を明かさずに卒業してみせたのだ。

私の様な末端のブンヤが、「アル・カポネ」を差し置いて名乗りを上げる事などできようか。


話が逸れてしまう、早く本題に入ろう。


私が入学した学校は、ごく普通の工業高校だった。

ほとんどが男子で、各学年に10人女子がいれば例年以上になるような高校だった。

いたって普通の高校だったが、私が入学して1ヶ月経った頃だろう。この学校に暗雲が立ち込めた。

「禁炭酸法時代」後にこう呼ばれる3年間の始まりだ。

この学校に学食は無かったが、数台の自販機と毎日昼休みに学校に来るパン屋が生徒達を喜ばせた。中でもコーラやサイダーといった炭酸飲料は、時に激しい争いを招くほどの人気商品だった。

しかし、某年5月にある校則が生まれた。

長ったらしいので省略すると、「生徒の健康を考慮して、炭酸飲料の取り扱いを禁止する」というものだった。

この校則は後3年間に渡って生徒達を苦しめるものとなった。生徒の中には、校長への直談判を敢行する者や、教師陣へのヘイトを高めることを脅しにして、校則の撤廃を狙う過激派が現れるようになっていった。

だがある時、妙な噂が流れ始めた。

「校内で炭酸を買えるところがあるらしい」

これを運動部の誰かが冗談混じりに言っていれば、もっと拡散は弱かっただろう。

だがこの噂を広めたのは、清掃委員の生徒だった。

彼はここ最近のゴミの中に、特定の種類の炭酸ジュース缶が著しく増えているのだという。一人二人で消費できるような量ではないらしい。

物的証拠があることで、この噂は一気に信憑性を高め、ほとんどの生徒が炭酸飲料のブローカーを探し出すようになった。しかし、ブローカーは一向に姿を見せず、噂はやはり噂の域を出ないのだろうと諦めるものが続出した。

...この状況こそ、「アル・カポネ」が望んだものだった。

この時点で、既に「アル・カポネ」はその手腕を発揮していたのだ。

わかりやすいスケープゴートを造り、意識をそちらに向かせることで、実体をあやふやにさせる。

その間も密売をこなし、学年やクラス、部活、各委員会など、それぞれの組織に影響力のある人間を取り込み、確実に支配を広める。「アル・カポネ」は、抜け目なく動いていたのだった...


のらりくらりと書いてきます

処女作なのでアドバイスいただけると嬉しいです

よろしくお願いします!

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