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夢から覚めて

「本来こういう助言はしないんですが、まぁサービスサービスってやつですね。いいですか?この世界は向こうと比べて発展が遅れています。それは、治安面においても同様で、命の価値が軽いと言っていいでしょう。ですから身を守る術は絶対必要です」


 六花ちゃんが身を乗り出して指を立てながらそう言うと、教師の真似をしている子供のようだが、会話の内容はひどく物騒だった。


 法律が行き届いているわけもないし納得できる話をではある。


「町の中では色んな人から教えをこうことができます。例えば剣。剣術の基本を教わることで、剣術スキルを入手できます。最初にスキルとして教わらずにスキルを得るのは難しいです。そして、一つ目のスキルを手に入れたら、戦士・魔法士・レンジャー・クラフターの内のどの方向性でいくかを選ぶことになる。例えば戦士の方向性でいくなら、剣や槍、斧といった戦士に関連するスキルが育ちやすい。そして覚えているスキルに応じて貴方の職業がさだめられるの。ちょっと早足だったけど、要するに護身用のスキルを覚える。それに合った方向性を選ぶのよ。私は余り特定の人に肩入れするのは好ましくないからこの辺で」



 早口でそれだけ言って六花ちゃんは姿を消してしまった。ぶっちゃけ言っていたことの半分も分かっていなかったが、身を守る術が必要だというのはよくわかった。


 と思っていると視界が真っ暗になる。

ほんの数分だったにも関わらず、見えるのが当然のような気がしていて、元の世界に戻ったと気づくのが遅れた。


「頼む!もう一度僕をあの世界に連れていってくれ」


 六花ちゃんとは背丈が違う女性の肩を掴み揺する。

傍から見たら通報されない状態だった。


「ちょっと落ち着いてください!分かってますから!」


 少し違う声を聞いて冷静さを取り戻したのだった。


「すまない」


「大丈夫ですよ。まずは環境を整えましょう。仕事のお手伝いをしてもらえるということなので社宅を用意しましょう。さすがに食堂はないので一緒に食べることにしましょう」


 それからもあーだこーだと説明を受け、施設内を案内してもらう。かなり広いが、他に人のいる気配が感じられなかったのが奇妙だった。


 結局この日はそれでおしまい。早くあの世界にもう一度行きたくてなかなか落ち着けなかった。




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