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エンカウント

 目を覚ましてはっとする。

もちろん、目を覚ましたとて僕の世界は真っ暗なままだ。


 自分の両手両足に意識を集中するも特に手枷足枷がついているということはなかった。上体を起こそうとして支えようとした腕が触れた、柔らかい床に驚いてバランスを崩してしまった。


 体を打ち付けた床は今度こそ固くて、思わず肺から息が漏れ、咳込む。警戒もくそもなくなってようやく気づいた。その時は分からなかったが、あれは干した布団から漂う太陽の匂いだった。

ひどく安心したのを覚えている。悪いようにはならないだろうと根拠もなく思った。


 音を聞きつけたのか、バタバタと駆け寄って来る音が聞こえて、コンコンっと慌ただしく扉が叩かれる。


「大丈夫ですかっ!?」


 返事を待たずに入ってきたのは高めの軽やかな声で耳に心地好かった。


「失礼しますね」


 そう言って僕の腕をとり、彼女の肩に回される。小さく、柔らかい感触の頼りなさによろめいてしまう。


「キャっ」


 そんな声が側から聞こえて、甘い香りが鼻腔を満たした。


「…目がお見えにならないのですか?」


 下から声が聞こえて、慌てて体をどけると、背中に強い衝撃が走る。


「ぐっ」


 思わず声が漏れる。


「大丈夫ですか!?でも良かったです。喋ることはできるんですね。」


 長い付き合いになる上比奈六花との出会いだった。

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