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冬休み 2


「ただいまぁ」


 そう言って孤児院へと帰った私をドタドタと足音がまずお出迎え。

そしてその主である子供たちが次いでお出迎えだ。


「ノイスお姉ちゃんお帰りなさーい」


 私は一人っ子だったし、帰っても返事はなかったので、初めのうちは新鮮で、慣れてきた今でも嬉しい。


「お姉ちゃん、今日のご飯はー?」


「ちょっと待っててね」


 今日はハンバーグだ。お肉屋さんで出る端肉などを安くもらってきたのでちょっと大変だけど細かく叩き潰せば端材とか関係ないし。

なによりソースはこの前本で見たのが美味しそうだったから、作ってみようと思っている。


「お姉ちゃーん、院長先生が呼んでるー」


 私を?というかこの院長、いつもどこかに出かけているのに珍しいな。ああ、院長先生の不在を補助するのが私に与えられた対価なので気にしないけれど。


 音の鳴る廊下を歩き、院長室へとたどり着き、ノックをする。


「院長、ノイスルゼです。」


「入ってちょうだい」

 そう返事が返ってきて、部屋へと入る。

執務室を兼ねているからちょっとだけ広いけどそれと言っても質素な院長の部屋へと入る。


「呼び出して申し訳ないわね。」


「いえ、それでご用とは?」


「あの方からあなたに一応聞いておけって言われてね。あなたお父様に会いたいと思っている?もしそうならそのための取り次ぎをしてくださるということだけれど」

 

 すっかり忘れていた昔の生活を思い出して、

私の胸の内を冷気が包むみ、体は震え、ガチガチと歯が鳴る。


「ごめんなさい。やっぱりまだ早すぎたようね。勘違いしないでね。あの方もあなたを無理矢理連れてきたんじゃないかって悩んでいらしたようだから聞いてみただけなの」


 ヒューヒューと狂った呼吸を整えようとする。

院長先生が私の側に来て背中を撫でてくれてようやく落ちついた。


「それからこれ、あの方からあなたにって」


 そう言って渡されたのは鍵だった。


「休みの間、暇を持て余すようなら使いなさいって」


「これはどこの鍵ですか?」


「図書館よ」


「へ?」


「院の地下にね、あの方の個人的な書物を集めた図書館があるの。

私たちが普段使っているのは図書室。それより貴重な本なんかがしまわれているのが図書館よ。ただ、仕事に差し支えないよう気をつけなさいですって」


 クスクスと笑いながら言われてしまう。

今日も今日とてやらかしてしまっているので、反論のしようもない。


「本は図書館からの持ち出しは禁止。館内での飲食も禁止。館内に入っていいのは鍵を預けられた者だけ。子供たちに気付かれないようにね」


 場所を教えられてどうやらこれで話はおしまいらしい。


ここの図書室の書量は下手な貴族よりも多い。

それよりもすごい図書館とはいったい・・・私は退屈だと思っていた休みが一気に楽しみになった。


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