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王と暗者 3

 難産でござった。申し訳ニャい。

(髭としっぽがシュンっとしてるところをご想像ください)

 「一つ、頼まれてくれないか?」


 相も変わらずいつの間にか寝室にいた"闇雲"を見た瞬間に思わず口がついて出た。


 「何か困りごとが?」


 「そうだ、とも言えるし、そうでないとも言える」


 俺の返事に首を傾げる様子は妙に幼く見えた。

最もこいつの姿というのは服のようなもので、いくらでも替えが聞くので

今見ているものが"本当の姿"とは限らないのだが…


 一度心地よい酔いに任せて


「そういえば風の噂で聞いたところによると"闇雲"の正体が女だったと盛り上がったことがあるそうだな?どうせなら俺の目も楽しませてくれればよいものを」


 と言ったことがあった。

一瞬ポカンとした"闇雲"は苦笑しつつ、


「王様っていっても一人の人間だねぇ。男が馬鹿なのは例外はないのかな」


「"王様"をしている時はこんなことはいわんさ。なんだ、そういう貴様は女に興味はないのか?ま、まさか男好きの方か?悪いが、俺にそっちの趣味は…」


「俺にもないって。」


「なんだ、本当に実際は女だったりするのか?」


 酔った勢いというのもあったのだろう、コイツの正体が気になってちょっとだけ、踏み込んだのだった。

グラスに酒を注ぎながらそう言ってみた。


「フフフ、秘密が女を魅力的にするのですわ、へ・い・か♪」


 ちょっと低めの女の声でそういわれて視線をグラスから上げるとそこにいたのはプラチナブロンドの髪の女だった。

紫水晶の瞳に合わせた淡い紫のドレスは胸部を上品に強調し、白い肌とお互いを引き立てあっていた。


「陛下、こぼれますよ」


 正気を失っていた俺の手のボトルを取り上げてグラスに注いでくれる。


「最初からその姿で来てくれればよかったものを。今更そんな格好をされてもこれまでの付き合いからか、接し方に困るわ」


 まぁ、見目だけなら眼福だったがな。



 回想終わり。


 「こんな箱が見つかったんだがな、開け口も見当たらないのだ。中が空洞で何か入っているのは分かるから開くとは思うんだが」


 ヒョイっと放り投げてみる。


 「へぇ、これはなかなか。パッと見じゃ分かりづらいですが、ここからパーツが取り外せて、と。」


 そういって30秒も立たずに箱は60個ものパーツに分かれてしまう。


 「よく出来てる。ここまで精密に加工するのは大変だったでしょうに。陛下、これが中のものですよ」


 そう言って放り投げてきたのは古ぼけた本であった。


 「なんだ、泥棒の癖に収められていたものに興味はないのか?」


 「なんでも手を出すタイプの泥棒もいますが、俺は狙ったものだけ確実に盗る主義なので。それに…」


 「それに?」


 「王族の厄介ごとに手を出して、秘密を知られたからには~なんてのはまっぴら御免なんですよ。」

 そう言って苦笑した。


 「あ、陛下。今回の仕事の報酬って言うとなんですが、この箱貰ってもいいですか?」


 「ああ、うんどうだろうな?興味深いがただの箱にしかならんしいいと思うが。いや、一応預からせてくれ。確認の後問題なさそうであれば渡そう」


 「…そうですか。それじゃ今日のところはこれで。」

 そう言って窓から飛び去る"闇雲"。

一応ここ、3階なんだがな。


 

 余談だが、この箱と中の本だが、この箱に使われていた金属の加工法について記されていた。これはある時代に失われた技術だったのだ。



あいつ、絶対気づいていただろ!嘘つきめ。泥棒の始まりだぞ!って泥棒だったな…。


 




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