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"闇雲"の狙いは

 明けましておめでとうございます。

遅くなりました…

 気づいたら孤児院の台所だった。

もはや無意識のうちに帰れるほど孤児院に馴染んできたことを実感する。

はじめの頃は子どもたちの喧騒に苦笑せざるをえなかったが、今となってはあって当然むしろないと違和感を覚えるだろう。


 はっきりいってこの孤児院は異常だ。

外見と、とある1箇所を除いた部分も普通の、むしろ他より貧しい。

但し例外の1つ、学習室の蔵書量はお世話になった本屋より多い。

ではすまない。

あの店の、4,5件分はある。

下手な貴族より多い。

内容は質実剛健で、孤児院を出るものにとって役に立つだろう。

そして、本の取り扱いに関しては異常に厳しい。

物が物であるし、寄贈されたものだ、というだけではないような気がする。


 本に比べれば安いとは言え、数が多ければそれなりの値はする耳目絵も学習室にまとめられていた。

古くなったインクとうっすらとカビくささが部屋の中に充満している。

これまでの記事と、今回の記事を精読する。

―違和感。

屋根から落ちたのは偶然でもいいかもしれない。

だが、一度捕まって、逃れてからはあっさりと屋根に飛び移り、逃げているようだ。

そもそも捕まる前に逃げられたのではないか。

それにわざわざ自身の弱点をさらすような真似をするだろうか?

これまでの事件を洗ってみれば、愉快犯、というか、衛兵をおちょくることはよくしているようだし、その一貫のような気もするが、やはり、違和感を感じずにはいられない。


 もし"闇雲"が女だとすれば、男の声も自在に出すことが出来る。

逆の場合もありえる。

 また、表面に皮のようなものを被って他人になりすますことが出来る。

この二つの能力を有しているのは間違いなく、あとは不確定だが、人を欺くなんらかの技能を持っているようだ。


 それから変装の元にしたと言う学院の生徒についてだ。

これまでも、無関係の人間に被害をなすりつけたりしないように配慮していると思われるところがあるから、それほどおかしなところはない。

だろうか?

だがそもそもその生徒のことを知っているということは、学院に進入していた、ということではないか?

それ以上考えるには情報が足りなさ過ぎる…、とそこまで至ったところで、

「お姉ちゃん、お腹すいたー夕ご飯まだー?」

子どもたちが詰め掛けていた。

少し思索に耽りすぎていたようだ…。

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