008 ハーレムなんて・・・あれ?
わ~れっらむ~てっきの~そ~ろぐ~んだ~ん♪
ハーレムな~んってぶっとばせ~(おー)♪
はーれっむゆ~しゃは?(めっさつだー)♪
はーれっむこっくおっう?(ぼっくさっつだ~)♪
ほっかにっもいっろいっろあっるけ~れど~♪
いっぷたさ~いは~(みなごろし~)♪
お~と~こた~るも~の(ひっとり~にし~ぼれ~)♪
お~んな~はも~ちろ~ん(つ~つま~しく~)♪
あ~あ~♪
そう~しそ~うあ~いつら~ぬ~けば~♪
お~のず~と~な~るな~る(いっぷいっさい)♪
いってお~くが~♪
ひ~がみ~じゃ~な~いぞ~♪
じゅ~んあ~いろせ~ん~がすっきな~だけ~(おー)♪
き~っとであいがあ~るは~ずと~(想いつづけてうんじゅうね~ん)♪
さびしくないさ~、さびしくないよ~(背中がすすけて見えるだけ~)♪
ハーレムな~んて(ぼっくさ~つ、めっさ~つ)♪
あ~あ~、われ~らむってき~のそ~ろぐ~んだ~ん♪
あした~もきっと~、ち~のあ~めだ~♪
「こっ・・・この歌はっ!?」
「何故っ・・・何故奴がこの街にっ!!」
「どこだっ・・・何所から聞こえるんだっ!?」
「クロウ公だっ・・・クロウ公のお屋敷だ!!」
「クロウ公って、この間の戦争で当主と婦人が亡くなり、一人娘のスール様しか居ないんじゃ無かったのか?」
「そういや・・・あれもある意味ハーレムなの・・・か?」
「どうなんだ?」
「でも魔王だよなぁ?」
「この歌は確かに・・・」
「そういや、歌・・・新しくなって無いか?」
「そう言えば確かに・・・」
「何か心境の変化でもあったのか?」
「う~ん・・・・・」
「「「「まぁ、ぼっち魔王だししょうがない」」」」
―所変わってここはクロウ公館の一室―
そこには大勢の少年少女が居た。
小さい子は赤子から、大きい子は18歳ぐらいまで、にぎやかに大きい子は小さい子の面倒を見たりしている。
そこに聞こえてくる歌。
わ~れっらむ~てっきの~そ~ろぐ~んだ~ん♪
ハーレムな~んってぶっとばせ~(おー)♪
はーれっむゆ~しゃは?(めっさつだー)♪
はーれっむこっくおっう?(ぼっくさっつだ~)♪
ほっかにっもいっろいっろあっるけ~れど~♪
いっぷたさ~いは~(みなごろし~)♪
お~と~こた~るも~の(ひっとり~にし~ぼれ~)♪
お~んな~はも~ちろ~ん(つ~つま~しく~)♪
あ~あ~♪
そう~しそ~うあ~いつら~ぬ~けば~♪
お~のず~と~な~るな~る(いっぷいっさい)♪
いってお~くが~♪
ひ~がみ~じゃ~な~いぞ~♪
じゅ~んあ~いろせ~ん~がすっきな~だけ~(おー)♪
き~っとであいがあ~るは~ずと~(想いつづけてうんじゅうね~ん)♪
さびしくないさ~、さびしくないよ~(背中がすすけて見えるだけ~)♪
ハーレムな~んて(ぼっくさ~つ、めっさ~つ)♪
あ~あ~、われ~らむってき~のそ~ろぐ~んだ~ん♪
あした~もきっと~、ち~のあ~めだ~♪
「何~?誰が歌ってるの~?」
「何だろう・・・ミーナちゃん判る?」
「ううん、何だろう?」
「あれ?スールお姉ちゃんどうしたの?」
「馬鹿っ、スール様だろ。
きちんと言う。」
「はーい。」
「スール様、顔が真っ青だよ。大丈夫?」
「どうしたのスール様?」
「いいえ・・・この歌は・・・なぜこんな所から聞こえるの?」
「スール様?大丈夫、僕が守るよ。」
「僕だってスール様の為ならっ!!」
「私だって!!」
「僕もっ!!」
「私もっ!!」
そこに居た少年少女たちが口々に言う中、それは現れた。
「ファーハッハッハハッハッハッハッハッハッハ
我っ!!降っ臨っ!!!!!!」
何も乗っていなかった大きな食卓に、仁王立ちするぼっち魔王。
「わー、誰ー?」
「すっごーい、手品ー?」
「ひらひら着てるよ~。」
「引っ張っちゃえ引っ張っちゃえ。」
子供たちも真似して食卓に上がると、魔王のマントを引っ張ったり、手品のタネを探そうとする。
いきなりの登場。
派手な格好。
食卓の上に仁王立ちというシチュエーションが、子供たちをおびえではなく、興味の対象にしてしまったようだ。
「うおっ!?
なんだこのガキ共は!?」
さすがのぼっち魔王も、これにはたじろぐ。
「いやっ!!ハーレムだ!!
この辺にハーレム反応がっ!!」
そんな魔王の前にスールは歩み出る。
「あの・・・ぼっち魔王様・・・でいらっしゃいますか?」
そんなスールを見た、魔王の目の色が変わる。
「お前だっ!!
お前からハーレム反応を感じるぞっ!!」
「そんな事よりも、食卓から降りてください!!
子供たちが真似しています!!
ほらっ、あなた達も降りなさい!!
ここは神聖な食事を取るための机ですよっ!!」
先ほどの青い顔もなんのその。
お母さんの顔できっぱりと言い放つ。
「あ・・・それはすまない。
直ぐに降りる。
ほらっ、お前達も、いつまでもマントを引っ張ってないで降りるんだ。」
つい謝り、子供たちを下ろしてから自分も降りる。
「まったくっ!!
いい青年なんですから!!マナーぐらいはきちんと守ってください!!
それともマナーも知らないんですか?」
「いえ・・・知ってます。」
「なら、子供たちのお手本になってください!!
マナーはしっかりと守る!!」
「すまん・・・マナーが悪かったな。」
「謝る時は、"ごめんなさい"です!!」
「う・・・すまん。じゃないな。
ごめんなさい。」
その剣幕には魔王ですらつい謝ってしまう。
素直に謝る魔王を見ると、スールはニッコリと笑い、
「きちんと謝ればいいんです。
ほら、皆も!!
食卓に登った子もいるでしょ?きちんとごめんなさいは?」
「「はーい。
ごめんなさい」」」
「はい、よろしい。
よく出来ましたね。
もうしちゃいけませんよ?」
「「「はーい。」」」
「はい、よく出来ました。」
スールはしっかりと子供たちへマナーを教えると、魔王へ向き直る。
「さっきははぐらかされたが!!
お前っハーレム」
我に返った魔王がスールを問い詰めようとするが、逆に問い詰められる。
「所で!!
何所から入ってきたか判りませんが、うがい手洗いはきちんとしたのですか!?」
その迫力に魔王も素直に答える。
「あ・・・いや、まだ。」
空間転移でやって来たのだ。もちろんやってない。
「なら、きちんとしてください!!
外から戻ってきたら、うがい手洗いは基本です!!
子供たちに風邪が写ったらどう責任を取ってくれるんですか?
それに貴方も、健康の維持管理の為にしっかりと行ってください!!」
「あ・・・はい。」
うなずく魔王のマントが引っ張られる。
魔王は何事か見ると。
「お客さん?
一緒に手洗いしよー。」
先ほどミーナと呼ばれた少女(4歳)が言ってくる。
「そうですね。そろそろご飯の時間ですから、行ってらっしゃい。
それと、ぼっち魔王様。もしくは魔王様と呼んであげなさい。」
「分かった。
マオー、いこー」
「じゃ、僕も行くー。」
「俺もー。」
「私もー。」
他の子供たちに連れられて手洗い場へと向かっていく魔王。
―5分後―
「じゃなくてハーレムを作っているお前をだなっ!!」
きゃっきゃと騒ぐ子供たちを肩や背中にくっつけながら、光の速さで戻ってくる魔王。
ちなみに魔王の手はしっかりと洗ってあり、小さい子も手伝って洗い終わっている。
「あ~、魔王様戻ってきたー。」
「魔王様ー。
スール様が、これから晩御飯だからたべてってって~。」
「わーい、マオーと一緒だ~。」
「今日のご飯は何だろ~。」
魔王と一緒なのが嬉しいのか、騒ぎ出す子供たち。
「くっ・・・台所は何所だっ!?」
問いただす魔王へ、またもミーナが答える。
「マオー、お手伝い?
いっしょいこー。」
「お・・・おう。」
小さい子にも勝てない魔王であった。
ミーナに連れられて食堂へ行くと、スール公がエプロン姿で料理の最終仕上げに入っていた。
「うん、味付けも問題ないね。
これで良し。」
「こらっ!!」
魔王が声をかけると、スールは振り向く。
「ハー「あら、手伝ってくれるんですか?ありがとうございます。」・・・あぁ・・・。」
「では、そこの大皿とおなべを持っていってもらえますか?」
スールが指差した先には、山盛りのパンが入った篭と、綺麗に剥かれたフルーツの入った篭。
それと鍋一杯のスープがあった。
「ふむ・・・」
「マオー、全部持ってくんだよ。」
「お・・・おう。
そうか。」
さすがに20人近くの子供たちの分だ。結構な量になっている。
だが、パンは貴族が食べるようなものではなく、質素なパンだし、フルーツも安い果物。
スープには肉すら入っていない。
「随分と・・・質素なんだな?」
「ええ、この前の戦争でお父さんもお兄ちゃん達も居なくなっちゃったから、国からの年金で生活しないといけなくて・・・」
つまり、子供たちの面倒を見るには金が足りない。と言う事だ。
「ふむ・・・まぁ良い。」
パチンッ
魔王が指を弾くと、篭と鍋が瞬時に消える。
「あら?」
「マオー、なんかした?」
スールとミーナは急に消えた食料にびっくりする。
魔王はおどろいた2人にニカッと笑う。
「魔法で飛ばしたんだ。
簡単だろ?」
「えっ・・・?
あっ・・・それは不味いです!!」
飛ばしたと聞いたスールは慌てて駆け出す。
「ん?どうしたんだ?」
「マオー、見張ってないと駄目なの。」
ミーナに促されて、魔王も食卓へ急いで戻る。
「スゲー!!
料理がいきなり現れた!!」
「ホントだっ!!・・・パクッ。
うめぇ、スール様の作ったご飯みたいだ!!」
「えっ、ホント?
パクッ。
ホントだ、美味しい~。」
「ホント?
もぐもぐ。
美味しい~。」
多くの子供達が好き勝手に果物やパン、スープを手づかみで食べていた。
「コラーー!!」
スールは部屋へ入るなり、大きな声で子供たちをしかる。
「ただでさえ少ないんだから、勝手に食べちゃ駄目でしょ!!」
「え~、でもこれ何も無かったのにいきなり出てきたんだよ?」
「そうだよ。
カミサマって人からのプレゼントだよー。」
子供たちの声にスールは頭を抑えてしまう。
「あぁ・・・無垢な子達だけに何もいえない・・・」
そんなスールを見て、罪悪感に心締め付けられる魔王であった。
「とにかく、この料理は魔王さんが運んでくれたものです。
残った分をみんなで分け合いましょう。」
「え~!!」
「食べちゃったよ~。」
「少ないよ~。」
子供達が口々に言うが、無いものは無い。
「いいからっ。
皆、準備する!!」
「「「ハーイ。」」」
スールが手を叩くと、子供たちはそれぞれ食器を持ってくると綺麗に並ぶ。
「残った分量だと・・・・これぐらいかな?
魔王さん、パンは1人半分づつ渡してください。
ミーナ、果物は1人2切れでお願いね。」
「えー、半分だけ~?」
「スープ少ないよ~。」
「これじゃ足りない~。」
子供達が口々に不満を言う。
「今日は、先に食べた子達が居るし、それを止めなかった貴方達も同罪です。
どんな理由があっても、分からないものに手を出してはいけません!!
今日は我慢です!!」
うなだれた子供たちを見て、魔王は猛反省する。
そして、さっきのスールが言った、生活が苦しいと言う言葉・・・
「いや、今回は俺の不手際だ。
味気ないかもしれないが、幾つかの食料を提供させて貰おう。」
そう言って虚空に手を突っ込むと、色々な食材を取り出す。
肉の塊・ハム・ベーコン・パン・成人男性・魚・きのこ・野菜に果物。
安価に手に入れられるものから高級食材まで。
ありとあらゆる食材が山と詰まれた。・・・・・成人男性?
「うおっ、やっと出して貰えたか・・・
弟よっ!!
今度こそは、すっげー反省してる!!
もう、道行く女の子に変なことは・・・うおっ、スッげー美人!!
ねぇ、彼女おれと一緒に良い事しない?」
太ももさわさわっ
「えっ・・・あ・・・あのっ・・・や・・・やめっ・・・」
突然のセクハラに戸惑うスール。
更にヒートアップするセクハラ男。
突然の出来事に固まる子供たち。
「虚無空間に放り込まれ、長い時間女体を触ってなかった・・・
なぁ、ねーちゃんええやろー!!」
飛びかかろうとする青年の頭をむんずとつかむ魔王。
「すまん。間違えた。
・・・あと2ヶ月追加な。」
そう言って虚空に男性を突っ込む。
「やっ・・・やめっ。
弟よっ!!
海のそこよりも反省している!!
やっ・・・やめっ・・・・らぁめぇぇぇぇぇぇ~~~」
・・・・・・・・・
舞い降りる沈黙。
「普通は一日も入れておけば、髪の毛が白くなるほど反省するんだがなぁ・・・?」
恐ろしい男である。(2人とも)
「あっ・・・あのっ・・・さっきのは?」
スールが赤い顔で詰め寄る。
「あぁ・・・すまん。
うちの馬鹿兄貴が大変失礼なことをした。
これは慰謝料だ。
とっといてくれ。」
魔王はこめかみを押さえながら、虚空に穴を開ける。
ジャララララララララララ・・・ドザー
そこから現れる大量の金貨や魔法の品々。
子供たちは始めてみるそれらに目を輝かせている。
だが、スールは大金に見向きもせず、魔王をじっと見つめている。
「あ・・・あ・・・あ・・あのっ!!」
「ふむ?足りんか?
こいつ等を食わせるだけなら数十年贅沢できる金額だが。」
魔王は見直し始めていただけに、落胆の色を隠そうともしない。
だが、そうではなかった。
「いえっ!!そんなことじゃなくっ!!」
更に顔を真っ赤にして詰め寄る。
そんな2人の後ろでは、子供達が争いを始めている。
「どけっ、このお金は俺がスール様に持っていくんだっ!!」
「いやよっ!!私が持っていって褒めて貰うんだからっ!!」
「だめっ!!スール様は僕のお嫁さんにするんだっ!!」
「違うよ、私がするのよっ!!」
「お前、女だろー。」
「私がスール様のお嫁さんになれば問題ないもん!!」
「ずるいー。じゃ、私も!!」
「いや、僕のお嫁さんに!!」
「私のっ!!」
普段であれば、スールが止めるのだが、今は何かに一生懸命で子供たちを見る余裕さえなさそうだ。
代わりに魔王が口を出す。
「あー、お前等。
全員で仲良くもって行ってやれ。
そのほうが喜ぶと思うぞ?」
手を振ると、山と積まれていた金貨達が小分けに子供たちの手の中に移動する。
「「「ハーイ!!」」」
そして理解する。
ハーレムレーダーの誤反応・・・を。
「後で近隣住人に誤解解いておいてやらねぇとな・・・
・・・ふぅ。」
そしてレーダーの改良を行い、このようなことが無いようにしないとな。
とため息を漏らす。
が、そのため息をスールは別の意味に受け取りビクンッと跳ねる。
そして、突き出されるように言葉が口をつく。
「先ほどの方を紹介してくださいっ!!」
これにはさすがの魔王も目が点になる。
そして、恐ろしいものを見るかのようにスールを見る。
顔を赤くして、両手の人差し指をつつき合わせながら上目遣いで魔王を見上げている。
どう見ても恋する乙女のそれであった。
「・・・いいのか?」
「ハイッ!!」
即答だ。
「あれだぞ?」
「そこが・・・(ぽっ)」
・・・あれな人だった。
魔王は目頭を押さえると、天を仰ぐ。
そしてじっくりと・・・何かと葛藤するように「あー」とか「うそだろぅ?」と呟いている。
「あ・・・あのっ・・・」
スールが声をかけると、魔王が改めてスールを見る。
「どこに惚れた?」
その問いに耳まで真っ赤になりながらスールは答える。
「全部です!!」
相当あれな人だった・・・
「ちょっとまってろ。」
額を押さえながらも、魔王は虚空に手を入れる。
ずぼっ
「うおっ、出してくれんの?
弟よっ、ありがとう!!
愛してるっ!!」
再び取り出されたセクハラ男は、魔王に抱きつきほおずりしている。
そして、後ろにいたスールに気付くと、
「おっ、さっきの美人ちゃん!!
どう?おれといい事する気になってくれた?」
と言って、抱きつこうとする。
「えっと・・・不束者ですが、よろしくお願いします。」
スールは真っ赤になりながらも、はにかんでセクハラ男に返事をする。
「え゛!?」
セクハラ男が抱きつこうとした体勢のまま固まる。
「あ・・・あのっ!!
出来れば・・・一緒に」
この孤児院を盛り立てていただければ・・・なんて。」
後半は尻すぼみになっていったが、間違いなくプロポーズだ。
セクハラ男は固まったまま、首だけを魔王へと向ける。
グギギギギギとか音が聞こえてきそうだ。
「本人の希望だ。」
「・・・マジでっ!?」
「もう少しまともな娘だと思ってたんだがなぁ・・・」
「どういう意味だっ!!」
魔王は指差して言う。
「そういう意味だ。」
指す方向へ首を戻すと・・・
耳まで真っ赤にしたスールがセクハラ男の手をとり、消え入りそうな声で、
「駄目・・・ですか?」
と聞いてくる。
「かっ・・・かわいい・・・
・・・って、そうじゃなくっ!!
あの・・・マジで?」
「・・・・・・はい。」
消え入りそうな声で、こくんと頷く姿がなんともいじらしい。
「ええと、そのっ・・・」
しどろもどろになるセクハラ男。
「私じゃっ・・・駄目っ・・・ですか?」
涙目になるスール。
「あっ、お前っ!!
スール様を泣かすなっ!!」
「本当だっ!!スール様大丈夫?」
「悪者めっ!!
やっちゃえやっちゃえ~!!」
「あっ・・・こらっ・・・やめ・・・やめろって」
子供たちはスールの涙目を目ざとく発見すると、セクハラ男を殴ったり蹴ったりしてくる。
「こらっ・・・やめって・・・ぐふぅっ!?
ちょ・・・そこ・・・大事な部分・・・」
大事な部分にグーパンチした女の子が、うずくまったセクハラ男の背中に立つ。
「ふんっ、恐れ入ったか!!
スール様の敵は私が倒す!!」
勝ち誇ったように胸を逸らすが・・・
「くぅおらぁぁ~!!」
セクハラ男はやおらに立ち上がると(背中の女の子を落とさないように気遣いつつ。)、子供たちを追い掛け回す。
「よくもやったなぁ~!!」
「キャー!!」
「逃げろ~!!」
散り散りに逃げ回る子供たち。
セクハラ男も本気で怒っては居ないようで、子供たちを追いかける速度を調節している。
そんな中、気付かれないようにスールのとなりに来ると、
「少しづつお互いを知り合って行きたい。
・・・それじゃ駄目か?」
スール(と地獄耳の魔王)にだけ聞こえるように言った。
パァァァッと表情が晴れるスール。
対照的に眉間を押さえてうずくまる魔王。
「うん・・・まぁあいつは超一流の冒険者だし・・・
子供好きだし・・・
女性から言い寄られるのは初めてだから、悪癖も直るかも・・・
だが・・・しかし・・・」
やがて結論がでたのか、スックと立ち上がるとスールに質問する。
「何故惚れた?」
「なぜでしょう?」
スールは首をかしげる。
「でも、この人だって思ったのも事実なんです!!
私のカンって、結構当たるんですよ?
お父さん達は信じてくれなかったけど・・・」
真剣な目。(これはてこでも動かないな。)そう思った魔王は懐から何かを取り出した。
「そうか。
なら、これをやろう。」
1つは犬笛のようなもの。
もう1つは懐中時計。
「こっ・・・こんな高価なもの頂けません!!」
スールは笛は受け取ったが、懐中時計は返そうとする。
この世界で懐中時計はかなり高価な物で、王侯貴族ぐらいしか所持していない。
・・・一応、スールも男爵位を持つ貴族なのだが・・・
「いや、必要なものだ。」
魔王は返却を拒否する。
「まず、この笛だが。」
犬笛を見せる。
「これは、俺にSOSを出すことが出来る笛だ。
忙しい時でなければ、大体は駆けつけることができる。
だからと言って簡単に吹きまくるなよ?
世界でも5人にしか渡していいないレア物だ。
無くしたり、譲ったりするなよ?」
「はい。」
スールは真剣に頷く。
「それと、この懐中時計は・・・
実際にやってみたほうがいいな?」
そう言ってスールの手に握らせる。
「その真ん中のボタンを押してみな。」
懐中時計には時刻あわせのネジの上にボタンがついていた。
「これですか?」
カチッ・・・・・ボンッ
「ギャーーーー!!」
「キャーキャー」
近くから爆発音と、セクハラ男の断末魔と、子供たちの喜んだ悲鳴が聞こえてくる。
「きゃっ!?ど・・・どうしたのですかっ!?」
スールが慌てて、子供たちに蹴られたり落書きされているセクハラ男へ近づく。
「そいつを押すと、こいつの口内で爆発が起こる。
お仕置きに使えるだろう。
使ってくれ。」
セクハラ男が心配で聞こえていないスールである。
「マオー、伝えるからまた遊びに来てくれる?」
ミーナが服の裾を引っ張りながら聞いてくる。
「あぁ。
こいつら心配だし・・・美味いもん持ってきてやるよ。
・・・だから、うまい飯食わせろよな?」
にっこりと笑う魔王。
「そういや、飯食ってなかったな・・・」
虚空から肉まんを2つ取り出す。
「食うか?」
「いるー。」
1つをミーナに差し出すと、2人仲良くかぶりつく。
「やれやれ・・・
流石の俺様も、天然と子供には勝てねぇな。」
頭を書きながら呟く。
「マオー、敗北?」
「あぁ、お前達は数少ない・・・っていうか、唯一?
俺様に土をつけた人間って所だ。」
「わーい。」
スールとセクハラ男。
2人のやり取りを優しげな目で見つつ、魔王は立ち上がる。
「行くの?」
「ああ。
またな。」
「またね~。」
何所からとも無く聞こえる歌に乗せて、魔王の姿は消えていった。
わ~れっらむ~てっきの~そ~ろぐ~んだ~ん♪
ハーレムな~んってぶっとばせ~(おー)♪
はーれっむゆ~しゃは?(めっさつだー)♪
はーれっむこっくおっう?(ぼっくさっつだ~)♪
ほっかにっもいっろいっろあっるけ~れど~♪
いっぷたさ~いは~(みなごろし~)♪
お~と~こた~るも~の(ひっとり~にし~ぼれ~)♪
お~んな~はも~ちろ~ん(つ~つま~しく~)♪
あ~あ~♪
ちょ~っとこんか~いま~ちがえ~て~♪
は~れむ~や~ろ~うじゃ~ぁなかぁったが(ゆるしてね)♪
たまに~はあるさ~そ~んな~こと~♪
わら~ってゆるし~て~く~ださいな~♪
け~なげ~なこじい~んあった~だけ~(いい子だった)♪
よそ~うが~いが~あったけど~(彼氏を紹介?)♪
くやしくないさ~、さびしくないよ~(幸せ2人にあてられて)♪
ハーレムな~んて(やっつあったり~でぼくさつだ~)♪
あ~あ~、われ~らむってき~のそ~ろぐ~んだ~ん♪
あした~もきっと~、ち~のあ~めだ~♪
余談ではあるが、後で冷静になったスールは、魔王の置いていった大量の金貨や魔法の品に目を回したのは言うまでも無い。




