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堕天の燈火【人間の書】  作者: 深川我無@書籍発売中


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種明かし5


「ついでに言うとな!! 他の者達の親類縁者、部族の人間も皆殺しにした。見るかね?」

 

「馬鹿な!?」


 カインがネロを押しのけた。

 

 ブラウンカンには砂漠を旅するカインの仲間たちが映し出された。


 皆がカインの知らせかと思い天幕から出てくると、隠れていた騎士団が現れて女子供も関係なく、次々と民を虐殺していった。

 

 カインはわなわなと震えながら唇を噛みしめている。

 

「あいつらは呪いとは無関係のただのさすらい人の末裔だぞ……」

 

「しかしお前の息がかかっている。危険の芽は早急に摘む。余は完璧主義なのだ」

 


 映像が切り替わってパウによく似た恰好の人々が映し出された。女の子がパウそっくりの人形を抱えている。もうひとりの少女が母親らしき人を呼んで何か話すのが聞こえた。

 

「アイヤナ、チェノア、エノア!!」

 

 パウは大声で叫ぶと、目をカッと見開いて画面に駆け寄った。すると画面の中にすらりとした二人の少年が現れた

 

「カリアン、アポニビ!!」

 

「やめろぉおおおおおおおおおぉおお!!」

 

 パウが叫んでも無駄だった。

 

「これは録画といって過去の映像だ。もう過去は変えられぬ」

 

 パウの家族は油をかけられて燃やされた。パウのいた居住区すべてに火が放たれて人々が焼け焦げ絶叫する様が映し出された。

 

「病原菌は完全に焼却しなければ危険だからな」

 

 ブラフマンは寝転びながらその様子を見ていた。

 

 パウは崩れ落ちるとブツブツと呪いの言葉をつぶやいて地面に爪を立てている。爪は剥がれ血が滴っていたが、パウはそんなことはお構いなしに大地に爪を立て続けた。 

 

 

 画面が切り替わって騎馬民族の軍勢が映し出された。

 

「こいつらには苦労した」

 

 ブラフマンは拳で空を叩いた。

 

「父さん……みんな……」


 スーが涙ぐんでつぶやく。 

  

「余の王国騎士団も酷い損害を被ったが、結果はこの通りだ」

 

 激しい合戦から画面が切り替わり、馬と人の亡骸が無数に横たわる平原が映し出された。その亡骸をジーンエイプ達が乱暴に弄んでいた

 

「ジーンエイプを従えたのが天下分け目でございましたな」

 

 金色の鎧を着た男が現れてブラフマンに進言した。

 

「そうだそうだ。あれは良い案だった」

 

 ブラフマンは男に褒美を与えて下がらせた。

 

「これが真実だネロ。お前たちの希望は断たれ、そこから二度と出ることも叶わぬ。堕天の燈火も封印の塔には力及ばない。これで世界は再び平和になる! 余の支配のによってな」

 

「さらばじゃ。世界を滅ぼす悪魔たちよ。未来永劫そこに封印されるがよい! パラケルスス! 迎えを寄越すからしばし待て」

 

「なるべく早く頼むぞ」 

 

 ブラフマンが笑ってうなづくとブラウンカンの明かりは消えて何も映さなくなった。

 

「俺はネロとここに残るぞ……」

 

 ハンニバルが失った肩を押さえてパラケルススを睨みつけた。 

 

「残るのではない。そこから脱出する術がないのじゃハンニバル。まさかここまでネロに入れ込むとはの。愚かなハンニバル。おぬしには王国の戦力として期待しておったのだが……」

 

 瀕死のハンニバルにそう言い残してパラケルススは神殿を去ろうと踵を返そうとした。

 

 ずぶり……

 

 パラケルススがゆっくり視線を下げると胸から血にまみれたノワールの切っ先が突き出していた。

 

「な……!? かはっ……!? ネ……ロ……?」

 

 パラケルススは顔を上げてネロを見た。しかしネロは驚きの表情でパラケルススの背後を見つめていた。

 

「ベル」

 

 それを聞いたパラケルススがふり返ると、そこにはベルが立っていた。ベルはノワールから手を離すとパラケルススから後ずさった。

 

 パラケルススはその場に倒れ込むと、血溜まりが広がっていった。最後に激しく痙攣するとパラケルススは動かなくなった。

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