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堕天の燈火【人間の書】  作者: 深川我無@書籍発売中


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種明かし3

「パラケルスス!」

 

 ネロはパラケルススに向かって駆け出した。パラケルススはネロに微笑むと、再び杖で地面を突いた。

 

 すると魔法の光が神殿を覆った。パラケルススに向かって走っていたネロはその光の幕に弾かれて神殿の中に吹き飛ばされた。

 

「何するんだ!? パラケルスス!?」

 

 背中を押さえて立ち上がるとパラケルススはブラウンカンの方を見ていた。

 

「おお! よくぞ無事だった! 我が友パラケルスス!」

 

「まったく何度も死にかけたわい。我が友ブラフマン」

 

 ネロが状況を飲み込めず愕然としていると、ブラウンカンの中でクスクス笑いが起こり、やがてそれは大笑いの大歓声に変わった。

 

「ネロ!! まだ分からんか!? これがこの旅の目的だ!!」

 

「どういうことだ!? パラケルスス! 説明してくれ!?」

 

「そのままの意味じゃ。おぬしら《《四人》》を神殿に封印するのがこの旅の目的じゃ。初めからな。ハンニバルは英雄として連れ帰る予定じゃったが……馬鹿な男じゃ」

  

 パラケルススは軽蔑するような目でハンニバルを見据えた。

 

 ネロ達は固まった。するとブラフマンがゆっくりとした口調で話し始めた。

 


「ネロ。おまえたちは危険分子なのだよ? それぞれが世界を滅ぼす可能性を持っている。それを封印するためにはこうする外なかったということだ」



「古の祭壇はかつて、堕天の燈火を安置して封じ込めてきた場所なのだよ。あらゆるものを封印することが可能だ。まったく古代遺物は得体がしれぬ」

 

 ブラフマンはふふっと笑い、指先についた糸屑を吹き飛ばした。 

 


「もう一つの危険分子が、アーリマン率いるルコモリエだった。それも余の目論見通りネロが破壊してくれた!! 礼を言うぞお!? ネロ!!」

 


 ブラフマンは演劇さながらに、長い手足で踊りながら説明した。


 その言動のすべてが不可解で非の打ち所がなく、時に美しく、常に嫌悪で満ちていた。

 


「最初から騙してたの…?」

 


 ネロはパラケルススを睨みつけた。

 

「世界のためじゃ。自分が犠牲になれば世界が救えるなら本望じゃろう。それにおぬしの願いは母が救われることではなかったか?」 

 

「そうだった!! ネロ!! 会わせてあげよう!!」

 

 ブラフマンはそう言って画面から出ていくと荷車に乗せて白骨死体を連れてきた。

 

「お母さんだよ!! 残念ながら旅に出て三日目に病気が悪化したんだ…」

 

 ブラフマンはわざとらしい哀れみを込めた目で、荷車に乗った白骨を見つめた。

 

「そんな……」

 

 ネロが力なく跪くと、ブラフマンはうつむいて小さく震えだした。そうかと思うと突然大声で笑い始めるのだった。

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