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堕天の燈火【人間の書】  作者: 深川我無@書籍発売中


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種明かし2

「ブラフマン王?」

 

「おお! その声はネロか!? そうだ! 余だ! ブラフマンだ! ネロぉ〜久方ぶりではないか!?」

 

 チカチカと光っていた硝子面が徐々に落ち着いてくると、そこには硝子いっぱいにブラフマンの顔が映っていた。

 

 ブラウンカンはふわふわと浮かび上がると、宙を舞ってネロの目線の高さに留まった。

 

「画面はちゃんと写っているか?」

 

 ブラフマンはこちらを覗き込んでとぼけた表情で手を振っている。ブラウンカンはその動きに合わせるように前後左右に揺れていた。

 

「あなたが手を振ってるのが見えます」

 

「結構!」

 

 ブラフマンは手をパンと叩いて言った。

 

「なんでここにブラウンカンが!? これは一体どういうことですか!?」

 

「まぁ待て。慌てるなネロ! お前たちの旅は国中が見守っていたのだ! このバーバヤンガの目を通してな!」

 

 ブラフマンは盲目の予言者バーバヤンガを画面の真ん中に映るように《《持ってきた》》。

 

 バーバヤンガは頭に金属の触覚を突き刺されており、口から涎を垂らしながら小刻みに震えていた。

 

 体は木製の小さな箱に入れられて首だけが箱の上部に開けられた穴から突き出ていた。白く濁った目は左右に揺れてそこから彼女の内面を読み取ることはできなかった。

 

「素晴らしいだろうネロ? この装置のお陰で、お前たちのことを随時見物することが叶ったのだ! 偉大なる余の発明だ」

 

 ネロは黙って画面を睨みつけていた。そんなことにはお構いなしでブラフマンは続けた。

 

「一番盛り上がったのはルコモリエだ! ルコモリエが滅んだ時のアーリマンの馬鹿面! ハァーハハッハッ! アレは傑作だった!!」

 

 ブラフマンの合図で貴族院や労働院の面々が映し出された。そこに映る誰もが手に盃を持ち、ご馳走を前にして満面の笑みで画面に手を振り、拍手するのだった。

 

「今はてめぇらの茶番に付き合ってる暇はねぇ! 無駄話なら後にしてくれ!」

 

 カインが画面に向かって凄むと、クスクスと嗤うものや、野蛮だと罵るものの声がざわざわと響いた。

 

「まったく蜥蜴は礼儀を弁えないから困ったものだ、さすらい人のカイン」

 

 ブラフマンはやれやれと手の平を上に向けた。

 

「生憎その蜥蜴暮らしもこれでお仕舞だ。約束は守ってもらうぞ!? ブラフマン!!」

 

 カインは画面を指さして威嚇するとハンニバルを抱えて祭壇に向かおうとした。

 

「すまんな。さすらい人。それは無理じゃ」

 

 ブラフマンの声が響いた。

 

「なんだと?」

 

「無理じゃと申した。呪いを解く品など存在せぬ」

 

 ブラフマンの言葉に一同が困惑していると背後から杖で地面を突く乾いた音が響いた。

 

 振り向くと片足を失ったパラケルススが杖に寄りかかって扉の外に立っていた。

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