少女との出会い
えー、独身30代後半のどこにでもいそうなおじさん、私こと【サトウ】のチョット変わった日常を描いた物語です。
ある日偶然知り合った女の子とキャッキャウフフな物語が始まるかと思いきや、ちょっとばかし面倒臭い物事に巻き込まれながらも、2人で乗り越えて行こう!って感じでやって参ります。
おじさんの戯言と思いながら暖かいめで読んでやってください。
俺には少し特技がある。
まぁ特技と言っても、トランプタワーを高く積めるーだとか、どんな角度からでもペットボトルをゴミ箱に入れれるーだとか、皆さんの世界で「へー、この人凄いじゃん」って思う感じのじゃぁない。
そう、我々が住まうこの世界では、皆さんの世界では俗に言う【異能力】が、そんじょそこらのサラリーマンの俺にだって使えるんです。
ここではそれを【特技】と呼んでいる。
異能力と言っても、物を引き寄せたり離したり、なんでも出てくる不思議なポケットが使えたりするわけじゃない。
例えばー…ほら、近所の花屋さんのワタナベさんは、花の成長を少しだけ早めて、咲きかけた花を満開にしたり、隣の家のタナカくんも、自分の周りの空気の振動を少し操れる特技のおかげで、あーんなに窓全開で気持ちよく歌えちゃったりする。
と、まぁ、人の生死に関わるような特技や、犯罪に使えるような特技を持った人というのは街にはほぼ居ない。
なぜかって?それは皆おぎゃーってかぁちゃんの腹から出てきた後、特技検査と、暴走を抑制する薬を投与される。
さっき俺が街にはって言ったのは訳がある。
そういう生死に関わるような強い特技を保有した子達は、ご両親の承諾の上、国の管轄である【高異能力児保護機関】通称【HMST】ってとこに保護される。
希望すれば両親も滞在出来るが、職場へ通うには少し不便だとか、色んな諸事情により、頻繁に【HMST】に通う親御さんが沢山いる。
【HMST】から……、長いんだよ【HMST】ってよ!今までこんなこと語る機会なかったから何とも思わなかったけどもう決めた、俺これからホモサトって呼ぶから。なんと言われようとホモサトって呼ぶから。俺が独身なのはホモだからか!とかちょっと偏見持たれるかもしれないけどホモサトって呼ぶから。
んで、そのホモサトから、任意の許可を得た親御さんのみ使用出来る旅客機やバスなどの交通機関も整備されている。
まぁ、ぶっちゃけ、子供の身からしたら隣の病室で生まれた子はそのまま退院したら家帰ってパパやママやジージやバーバに囲まれるのに、俺たちは白衣の臭そうなジジィに囲まれるんだって、ずっと親の傍に居たいってよって思うかもしれない。
けど、そんなホモサトベイビー達も損ばかりではない。
ホモサトを出た子達の8割くらいは、国の特別軍事施設…まぁ特技使ってちょっと悪いことしちゃった大人を捕まえたり、あらやだうちの子ったら!ロッキー山脈から下山出来なくなっちゃったわ!これじゃ凍え死んじゃう!って時に助けてくれるヒーローに就職する。
もう2割はホモサトの職員。臭い白衣着てハゲ散らかす。
別にホモサトの職員の給料がいいから羨ましくて悪く言ってる訳じゃないからね!サラリーマンだけどちゃんと定時の5時間後には帰ってるから!社畜とかそんなんじゃないから!
と、まぁ、俺達の世界はこんなとこだ。
おじさんになるとついつい長々と喋っちゃって本当申し訳ないですね。
次話からはちゃんと真面目に日常描いてくのでよろしくお願いしますね。
「はぁ〜あ…」
もう時刻は20時。コンビニでビールでも買って帰るか〜…。
「…おじさん、どうしたの?」
可愛らしい声に呼びかけられ、少し鼻の下を伸ばしながら声の方へ顔を向ける。
そこには、8歳くらいのお嬢ちゃんが路地の入口から、綺麗な瞳で、汚れた俺の顔をみていた。やめてくれ、汚れちゃう。
閲覧ありがとうございました。
初作品の為、何かと読みづらい所は多々あるとは思いますが、投稿を続けていきますのでよろしくお願いします。