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からかうように愛を嘯く

 作品の製作に行き詰まり、ウンウンと部室で唸っていると立付けが悪く突っ掛かるはずの引き戸を魔法のようにするりと開ける音。こんなことが出来るのはあの人を他において居ない…

 やあ後輩くん。今日も今日とて部活とゆう青春に励んでいるかね?


 やあやあどうした後輩くん。陰鬱と落胆を濃厚に煮詰めたような表情をして。


 『そんなにヒドイ顔ですか』だって?


 なに、小粋で洒脱な冗談だよ。それに安心したまえ、私からすれば君がどんな表情をしていても、あらゆるギリシャ彫刻なんて目ではない精緻と最上な美しさを秘めたものだからね。


 『またそうやって、からかって煙に巻こうとして』だって?


 まったくひどいな後輩くん。私の明け透けでどんな棒玉よりハッキリしたストレートにそんな透かした打ち返しなんて。


 やれやれ、その懐疑な顔ではまだしばらく真芯に捉えた返事は難しそうだね。

 自分だって馬鹿ではないからあの人が明け透けに放つ言葉の意味を理解してるし、本当なら今すぐにでもあの人に飛び付いて思いの丈を話したい。

 ただそうしたその後を想像すると、如何様にも心が砕けそうな結末が思い浮かびどうしても仮面を纏って誤魔化してしまう。

 ただ、あの人はそんな自分すら見透かしていそうでそれがまたあの人への親愛と敬愛と畏怖を産む。

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