オープニングゲーム
はじめましての方ははじめまして!お久しぶりの方はお久しぶりです!この度は『ただいま異世界巡回中!』を読んでいただき、誠にありがとうございます。拙い文章と文力ですが、楽しんでもらえたら嬉しいです。
また投稿日は月曜日と木曜日を予定しています。水曜日は予備日です。
それでは、楽しんでもらえたら嬉しいです。どうぞ!
鮮やかな色合いだったそれは、次の瞬間、真っ赤に染まった。そしてブツン、となにかを潰すような、不気味な音を立てて真っ黒に染まった。
「あーなんだ、またかぁ~」
真っ黒に染まった何かの前には大きめなソファーがあった。そのソファーにはある人物が座っていた。その人物は手に持っていたスナック菓子を傍らに置くと、膝の上にボロボロと落ちていたカスを払う。人物は動物の耳パーカーを着用しているようだが、なんの動物かまでは暗くて判別は不明だ。目の前の真っ黒に染まったところには四方が金色の枠で縁取られており、まるで絵画かなにかを飾っていたかのようだ。まぁ、天井も床も壁も全て黒一色なため、絵画もなにもないのだが。その人物は心底めんどくさそうに足を組み直し、ソファーに身を委ねた。そっとスナック菓子を一つ取り、慌てた様子で口に放り込んだ。そこに自分以外がいるわけでもないのに。見られているわけでもないのに。自分でも変だとしか思えない。スナックを咀嚼しながら、人物は腕を組んだ。
「またか……あーもうめんどくさいなーでも、達成のためだしなー」
うーん、と腕を組んで、人物はよしっと膝を強く叩いた。
「選別」
そう金色の枠に向かって声をかける。とブォンと鈍い音が響き、画面が仄かに明るくなった。まるでパソコンの起動画面のようだ。水色の画面に表示されたのは縦八つ、横八つに分けられた顔写真だった。ピ、ピ、ピ、と甲高い音を響かせながら濃い青色に縁取られた矢印マークが四方八方、動き出す。
『条件はどういたしますか』
テレビ画面のようなものから無感情な声が響く。人物は一瞬、考え込むと片手を振った。
「無作為で良い。どうせみんな、死ぬんだし。ただの道具に過ぎないんだから」
『承知いたしました。ただいまから、選別を開始いたします』
無下にも扱っていないその声色を承認して、テレビ画面が選別を始める。肘置きに肘を置きながらスナック菓子を暇潰しに頬張る。暫くして、再び甲高い突拍子なピ、ピ、ピ、と云う音が響いた。そしてまるで地震のような重々しい音がボーンと一回した。決まった合図だ。勢いよくソファーから身を起こすと画面に大きく顔写真が表示されている最中だった。顔写真の隣には何かの履歴も一緒に表示されている。
『宜しいですか』
ほぼ断定系で告げられた言葉に人物は、満足そうに頷いた。その笑みは水色の光を浴びて妖艶と云うよりも不気味に浮かび上がっていた。
後書きになにかしら書けるようにしていきたいなぁと思っています。