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第六十四話「大催事場」

おや。


アンキロサウルスが立ち去った後の川床の中央。


先ほどまでアンキロサウルスの巨体に遮られて見えなかったエリアに、見覚えのある掘削痕が現れた。


加えて、掘削痕の周りに見える瑞々しい草木と、掘削された川床の内部で太陽の光を反射する水面(みなも)。


「あれは・・・。」


間違いない。


僕の探し求めていた水源である。






ほど高くなった川岸から川床へと駆け下り、水源のある川床の中央へと向かう。


なるほど。


水の匂いが、アンキロサウルスを引き寄せたのか。


続いて、僕も水を飲むとしよう。






だが、近づいて気付いた。


水源に隣接している見覚えの無い茶色い小山。


掘削時に出た川床の土とは、明らかに色合いを異にする。


そして、近づく程に香り立つスカトール臭。


「催(もよお)している・・・。」


体長10mの生物が、盛大に催して行ったのだ。






水源へと到着し、膝丈程もある茶色い小山と茶色く濁った水面を眺める。


ああ、僕の大事な水源が汚染されてる・・・。


残念ながら、消化器官の弱い人間は、糞尿で汚染された水を飲むことができないのだ。


幸い、ここまでの道中で水の沸きそうな場所をいくつか確認している。


今日の水源は、そこにするとしよう。


「大を催した場・・・か。」


ここはまさに、大催事場である。

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