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第四話「食料探し」

僕の名前は、仔牛 えみ太郎。


しかしながら、今世においてこの名前は意味を為さないであろう。


この世界には、家族や友人といった存在は居らず、名乗る対象となる人間すら存在しないのだ。






今、僕は、この世界で生きていく為に必要な食料を探して森を探索している。


この世界で生きていく為に必要な食料とは何か。


それは、昆虫である。


昆虫には、そのコンパクトな外見とは裏腹にタンパク質や必須アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富に含まれているのだ。


特に、人体で生成できない必須アミノ酸やビタミンを昆虫から摂取できるメリットは大きい。


転生したばかりで、この世界の安全な木の実や山菜を判別することができないのだ。


必須アミノ酸やビタミンを安全に摂取する方法は、昆虫を摂取する以外に考えられない。


そう、昆虫とは、これからの新生活サバイバルに最適な健康食材なのである。






木々や草木に新芽や新緑が見受けられることから季節の頃は春と推察しているが、この季節に採れる昆虫とは何なのだろうか。


季節が夏ならばカブトムシやクワガタムシのような昆虫、秋ならばバッタやイナゴのような昆虫が採集候補として挙げられるのだが・・・。


今の季節に採れそうな昆虫は、成虫になる前の何かの幼虫であろうか。


ひとまず、カブトムシやクワガタムシのような甲虫がこの森に居ると仮定しよう。


カブトムシやクワガタムシのような甲虫がこの森に居ると仮定するならば、この新緑の季節、夏に成虫になることを控えたカブトムシやクワガタムシなどの幼虫は、朽ちた木の幹や土の中で丸々と栄養を蓄えている時期である。


「カブトムシやクワガタムシの幼虫を探してみようかな。」


朽ちた木の幹や土の中に潜む幼虫の採集ならば、安全に調達することも可能だろう。






巨大な木々の張り出した根を踏み分けて、森を奥へ奥へと進んで行く。


僕の身長の2倍はあろうかという巨大なゼンマイ。


見渡せば、しいかし、杉と言った馴染みのある木々も見受けられる。


果たして、僕が持つ前世から引き継いだ知識は、どれ程役に立つのだろうか。






そして、森を探索開始して程なく、目の前に行く手を遮るようにして横たわる巨大な倒木が現れた。


倒木の側まで近づいて行き、倒木の表面を両手で触ることで、その質感を確かめて行く。


倒木の表面は既に生気を失っていて黒く変色しており、樹皮の剥がれた部分からは、ベージュ色の木質部が剥き出しになっている。


「うん、湿気を多く含んでいて柔らかい。」


この倒木は、既に十分に朽ちているのだ。






もし、この巨大な倒木の中が幼虫の楽園となっているのであれば、この倒木の中から一日に必要な食料を摂取することも可能だろう。


果たして、この倒木の中に目当ての幼虫ごはんが眠っているだろうか。


それでは、昆虫採集を開始である。

【持ち物】

白い布

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