第6話:その6
櫻華さん作、天照の巫女より夜櫻さん、ランスロットさん、アルセントさんのほか櫻華さんのキャラクターを複数お借りしています。
『ユウマ君。これからはランスロットの指示をよく聞いていてね。きっと、そこから何か得られるものがあるはずだから。それと・・・ランスロットたちの戦闘やお互いのやり取りの中で、気になった点や聞いてみたいことがあったら・・・ランスロットたちの戦闘が終了した後に聞くからね』と夜櫻さんにいわれた俺は《そういうことならより広範囲に見る必要があるな》と考えたら自然に『はい、わかりました』と返事をすると夜櫻さんは『・・・さて、今から始まるランスロットたちの戦闘をよく目を凝らして・・・最後まで目をそらさずに見ていてね』と話されたので俺は『・・・はい』と返事をしたらランスロットさんたちの戦闘が始まったんだ。
ランスロットさんたちがまず仕掛けたのは、守護戦士なら定番であるヘイト系統の特技【アンカーハウル】だった。それを見ていた俺は《ランスロットさんは定番である【アンカーハウル】から仕掛けたなあ。俺だって、まずは【アンカーハウル】か【タウンティングブロー】のヘイト系統の特技を使うから必然的にそうなるよなあ》と僅かな時間でランスロットさんと俺の違いを考えていた。
すると、ランスロットさんは更に、俺がまだ会得出来てない守りを強化する特技【フォートレス・スタンス】を使用したと思ったら、ランスロットさんは次々にヘイト系統の特技を使用してモンスターのヘイトを稼ぎ続けていた。そして、ランスロットさんがモンスターをある程度引きつけ終わった頃、ランスロットさんはアルセントさんたちに指示を出し始めたんだ。
『私は常時、敵全体のヘイトを稼ぎつつ・・・常に《魔狂熊》を引きつけ、相対し続けます。アルセント、カンザキさん、ホークさんはまず《魔狂鼠》3体から撃破してください。その際は、必殺技の使用を禁止します。
《魔狂鼠》撃破後は、《魔狂狼》2体の撃破に移ってください。その際、カンザキさんとホークさんのみ必殺技の使用を許可します。フェイデットさんは、味方への支援魔法と敵への阻害魔法を行いながらも、敵援軍が来ないか警戒してください。もし、敵援軍が来た場合は【アストラル・ヒュプノ】等で足止めをお願いします。そのときは、必ず報告して行ってください。シークさんは基本私の専任回復をお願いします。ただし、パーティー全体への回復はHPが3割を切るまでは極力控えてください。MPに余裕がある場合は、《魔狂狼》に向けての攻撃魔法の使用を許可します。・・・以上です』と話したランスロットさんに対して、俺は《ランスロットさんの指示は明確だ。パーティーのメイン職業を踏まえた特技の制限は、この戦闘を締めるときに最大の火力を出せる特技を温存するためにランスロットさんが指示したなら納得だ。だから、今日の俺たちの戦闘は失敗したんだ。となると、ランスロットさんがパーティー全体に指示していた事柄を俺なりに分析して、みんなに指示出来るように努力すれば、もっと上の戦闘も出来るようになるはずだ》と考えているといつの間にかアルセントさんがいなくなっていた。
おそらく、アルセントさんのメイン職業である暗殺者の特技の1つだと俺が分析しているとカンザキさんとホークさんはそれぞれ、《魔狂鼠》の殲滅に集中していた。
ーーーーーーー
私は、アルセントさんの行動を見ているとあることに気がついた。それは、一度攻撃したら離脱し、タイミングを見計らって再度攻撃する“ヒット&アウェー”という方法だ。私も同じことをしているけど、アルセントさんのようにはまだ到達出来ていない。
それもそのはずだ。レベル差が随分と離れている。だけど、それだけではない。最初に、アルセントさんが発動していたのは【トリック・ステップ】という特技で、確か【トリック・ステップ】が終了時に一定の確立で更に【ロード・ミラージュ】という特技に繋がり、透明化して攻撃できるものだったはずだ。
私も【トリック・ステップ】は会得しているけどまだ一度も【ロード・ミラージュ】まで出来ていない。精進しないといけないなあと思っていると、ランスロットさんたちの戦闘は中盤に入っていたんだ。
ーーーーーーー
僕は、ホークさんの行動を見ていると気がついたことがある。
それは命中率、クリティカル率、ダメージ率が上昇する代わりに発動した場所から動けなる特技【サイレント・スナイパー】を発動させるホークさんを僕は見えたんだ。そこからは、次々に弓を利用した【ヴェノムストライク】、【スパークショット】、【ラピッドショット】といった特技を発動させて、アルセントさんとカンザキさんの攻撃のタイミングの間で攻撃をしていんだ。そのことに気がついた僕は何かが弾けるように感じると、ランスロットさんたちの戦闘は中盤に入っていたんだ。
ーーーーーーー
私は、カンザキさんの行動を見ていると気がついたことがある。
それは、モンスターの能力ダウン系の特技を次々に発動させる動きはまるでダンスを踊っているように見えたんだ。それだけでなくて、攻撃系の特技でモンスターのHPが減っていき、何らかの設置マーカーを置いたのが私には見えたけど、それが何なのかわからないでいると、ランスロットさんたちの戦闘は中盤に入っていたんだ。
ーーーーーーー
ランスロットさんたちの攻撃が絶妙なタイミングで決まり、戦闘も中盤に差し掛かった時に突然カンザキさんがランスロットさんに話しかけて何かを相談しているみたいだった。しばらくするとアルセントさんも会話に加わり、何か決めるとカウントダウンが始まった。
『10、9、8、7、6ーーー』とアルセントさんが冷静にカウントダウンを始めたが俺を含めたこの場所にいるすべての人が緊迫した表情になっていた。
次回予告
アルセントさんの攻撃は成功するのでしょうか。
期待してお待ちください。