第2話:その2
櫻華さん作、天照の巫女より夜櫻さんをお借りしております。
《ああ、やってしまった。一番最初に俺が離脱するなんて情けないよ。みんな大丈夫かな。いや、大丈夫ではないな。パーティー唯一の戦士職である俺が最初に離脱したから、たぶんアリフが代わりにヘイトを稼いでいると思うけど長くは続かないはずだ。となると、全滅は覚悟して待っているべきだな》と考えていると俺の目の前に向かってくる人が見えた。
するとその人は、俺の前に近づくと『あなた、ユーミンちゃんのお兄さんで守護戦士のユウマ君で間違いないかな』と聞かれたので俺は《誰なんだ・・・。目の前にいるメイン職が武士らしき女性は》と疑いながら『えっ・・・。はい、そうですが・・・。それよりも、何で僕と妹の名を知っているんですか』
『ユーミンちゃん本人に、直接あたしが聞いたからね。あと・・・、安心していいよ。あなたの仲間たちは誰一人欠けることなく全員無事で、今あたしの仲間たちが保護してくれているからね』と話した女性に対し、俺は緊迫した中で救い出されたみんなの事と俺自身の不安要素から解放されてためか『みんなが無事でよかった』と女性に感謝の気持ちを伝えると簡単な自己紹介をしてもらった。
話を聞くと、メイン職業が武士でレベル90の夜櫻さんという女性とわかった。その情報を聞いて何かを思い出したが、それが何なのかはわからないでいた。
そんなことを思い出しながら自己紹介が終わると、夜櫻さんは俺に対して心配したような顔の出で立ちで、俺に話し始めたんだ。
『実はね、今現在、あなたたちが戦闘に関して行き詰まりを感じているとあなたの妹さんから聞いたの。・・・でね、今日のあたしの仲間たちにあなたたちと似た戦い方をする人が偶然揃っていてね・・・彼らの戦闘を見学することで、ちょっとでもあなたたちの悩み事を解決に繋がれば・・・と、あたしは考えているんだけど、どうかな』と話してくれた夜櫻さんに対して、俺はどのように返事をしたらいいか考え始めた。
《たぶん、ユーミンが部分的な話を話したから夜櫻さんはあんなことを話してくれたんだと思う。戦闘を見学するのは、今後の成長の手助けになると俺は思うけど、俺以外のみんなはどんな感じに受け止めるかな。みんなは賛成と反対に分かれそうだけど、そこは何とか俺が説得して見学したら、今俺が悩んでいることが解決できるかもしれない。そうと決まれば話すしかない》と考えを集約すると夜櫻さんに話しかけていた。
『そのようにしていただくと僕自身は、すごく助かります。実はその方法の中で今僕が悩んでいることを改善出来たらいいと思っています。お聞きになりますか、夜櫻さん』
『そうなの、ユウマ君。ぜひ、悩みを聞かせてくれないかな』
『ありがとうございます、夜櫻さん。その悩みというのは、まず、2日前からうまく連携が噛み合わなくなったことです。おそらく、妹のユーミンから聞いたとは思いますが、僕がパーティーのリーダーをしています。その上、みんなに簡単に理解でき行動できるように指示は出して連携は出来ていました。そのため、3日前まではうまく連携が取れていたんです。しかし、先程話した通りにうまく連携が噛み合わなくなりました。次に、1回の戦闘でHPとMPを消耗が激しすぎて継続して狩ることが出来ずにいます。最後に、武器攻撃職がリアルの理由で参加出来ないときに魔法攻撃職を入れてみたいといった3点が、今、僕が悩んでいることです。夜櫻さん、どうにかなりますか』
『う〜ん。その辺りの悩み事の解決方法は・・・あなたたちの戦闘を実際に見せてもらうなり、いろいろと話を聞くなりしていかないと適切なアドバイスは難しいかな〜』と夜櫻さんに返答されたので俺は『そうですか』とがっくりしていると夜櫻さんは『それじゃあ、早速みんなと合流・・・といきたいところなんだけど。その前にギルド会館に寄っていいかな。その最中でも、いろいろと話はできると思うしね』と話されたので俺は《それなら、ちょっとした事柄なら話せるなあ。何を話そうかな》と思いつつ、夜櫻さんと俺はギルド会館に向かい始めたんだ。
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しばらく、夜櫻さんと一緒に歩いていた俺は夜櫻さんにあることを聞かれていた。
『ユウマ君、あなたたちのレベルは、今それぞれどのくらいなの』と話されたので俺は真面目に『僕、アリフ、ミーシャの3人は今レベル15で、ユーミン、ビート、ナーシャの3人は今レベル12です、夜櫻さん』と話すと、夜櫻さんは驚いた顔の表情をして、話し始めたんだ。
『ユウマ君。あなたたちが狩場にしているフィールドは、現在のあなたたちのパーティーの平均レベルに合っていないよ』と夜櫻さんは話すと続けて『パーティーの平均レベルの算出方法は、パーティー全員のレベルの合計にパーティーの人数を割った数がパーティーの平均レベルだよ。ユウマ君』と夜櫻さんにパーティーの平均レベルについて聞いていた俺はパーティーの平均レベルの算出方法が間違って計算していたことや、あの狩場は適正な場所ではなかったことに気がついて、俺は夜櫻さんに対して『夜櫻さん、僕が考えていたパーティーの平均レベルの算出方法は間違っていました。それと同時にあの狩場は適正ではなかったと思っています』と夜櫻さんに話すと何かを考えている様子だった。
そんな様子から夜櫻さんは大神殿に来るまで道のりを教えてくれた。教えてくれたことを俺なりにまとめるとこういうことだったようだ。
まず、夜櫻さんはとあるフィールドの狩場に出現するモンスターのレアドロップアイテムを獲得して、夜櫻さんが指導していたプレイヤーに対してあげる予定だったらしい。
その最中に、ユーミンたちの戦闘を見つけ、厳しい状況だったために介入し終わらせると、夜櫻さんはユーミンたちにこの状況を叱っていたそうだ。するとユーミンが、モンスターとの戦闘で行き詰まっていることを夜櫻さんに話したら、夜櫻さんと組んでいるパーティーの人たちの戦闘の様子を見せて何かをつかんで欲しいとユーミンたちに話したそうだ。そのあと、夜櫻さんは俺を迎えに大神殿に来たそうだった。
そんな話を聞いているとギルド会館の中に着いて夜櫻さんは『ギルド会館前で待っていてくれる、ユウマ君』と話されたので、俺は『構いませんので、どうぞいって来てください』と話すと夜櫻さんは『ありがとう、ユウマ君。すぐに戻るからね』と話すとギルド会館の奥の方に進んで行った。
《まずはギルド会館前に移動しようかな。さてと、どうしたらみんなを夜櫻さんたちのパーティーの戦闘を見学するのを納得させるにはどうしたらいいかな。今考えて見ても意味ないなあ》と俺が考えていると夜櫻さんがギルド会館から出て来て『さてと、それじゃあ仲間の元に向かおっか』と話されたので俺は『はい』と元気良く俺が答えると夜櫻さんと俺はギルド会館を後にしたんだ。
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ギルド会館から出て来た夜櫻さんと俺は、ギルド会館から近い場所で何かを設置終わると夜櫻さんは『パーティーメンバーに1度入ってくれるかな、ユウマ君』と話されたので俺は何も疑いなく『はい』と答えると夜櫻さんは『このアイテムは転送石といって瞬時に移動できるアイテムなんだ。でも、弱点もあって移動できる人数は6人までなんだよ』と話された俺は『そうなんですか』と理解したように話していた。
それから夜櫻さんはパーティーに俺が入っているか確認している時に俺が夜櫻さんに話しかけて、『夜櫻さん、実は・・・、エルダーテイルの攻略サイトなどを随時見ながら、書かれていたことを考えたり、実際に実行したりしています。なので、転送石についてはだいたい知っていました』と話すと、夜櫻さんは身体を身震いし、何かを考え込んでいました。
しばらくすると、夜櫻さんはパーティーに俺が入ったのが確認できたためか『それじゃあ、みんなの待つところに飛ぼうか』と夜櫻さんが話されたので俺は『はい』と返事をし、ユーミンたちのところに飛んで行った。
次回予告
ユウマと夜櫻さんの帰りを待つユーミンたちは夜櫻さんとの関係を聞いてうちにあることが起きます。その起きた事とは何だったのでしょうか。
期待してお待ちください。