第11話:その11
櫻華さん作、天照の巫女より夜櫻さんをお借りしております。
ユウマさんから指示を受けた私は、ビート君と一緒に周辺の警戒しながら魔狂狼のHPの減少推移を予測していた。
すると、ユウマさんたち攻撃陣のみんなが攻撃し続けた結果、魔狂狼の残りHPが3.2%まで下がっているのに私は気がついた。これを見逃すと大変なことになることはわかっていたので、ビート君に『ビート君、魔狂狼の残りHPが3.2%まで低下したよ。ゾーンバインド・ホステージの呪文を発動させて、お願い』と話していた。
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僕は、ユウマ、ユーミン、ナーシャたちと魔狂狼に攻撃し続けて、ビートのゾーンバインド・ホステージの呪文発動を待っていた。
そんな状況でミーシャが『ビート君、魔狂狼の残りHPが3.2%まで低下したよ。ゾーンバインド・ホステージの呪文を発動させて』と話した途端に、ユウマが焦ったようにみんなに話し始めた。
『みんな、魔狂狼にまだゾーンバインド・ホステージの呪文を発動してはいけない。そして、必殺技の特技を使用してはいけない』と話したユウマは続けて話し始めた。
『なぜなら、今の魔狂狼は普通の魔狂狼ではないからだ。というのも、今現在エルダーテイル内の時間は夜で月の満ち欠けが満月の状態だ。ここで、重要なのは夜で満月だということだ。夜で満月といえば何をみんな思いついたか。俺は狼男の御伽噺しか思いつかなった。狼男の御伽噺は、とある男が満月の夜にオオカミに変身するという話だ。その御伽噺が今現実に起きているなら、目の前にいる魔狂狼はとある男が魔狂狼に化けていると俺は思った。仮にこのまま倒したとしたら、何らかの制裁があるかもしれない。つまり、今は倒せる場面ではない。これらは、予想でしかないがまず間違いないと俺は思う。なぜなら、これらはエルダーテイルの攻略サイトや狼男の御伽噺が書かれた書物を読んだことがあるだからだ。みんな、何か質問あるか。あるなら、質問をしてくれ。以上だ』と話したユウマは今の状況を打開しようと何か考えているようだった。
それに対して僕は、《本当にそのなのかな。でも、魔狂狼の動きはなんだか人間らしい動きをする時があった気がする。だとしたら、ユウマがいっていることは本当の可能性が高いなあ》と思っていた。
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私は、兄さんから聞いた突拍子もないことを聞いて、何を考えているのかわからなくなっていた。
《目の前にいる魔狂狼が【人間が化けている魔狂狼だ】って、ありえないよ、兄さん。もしそうなら、今現在まで兄さんはなぜ気づかなかっただろう。いや、気づいていたはずだ。気づいていたのに私たちに伝えなかったのは、確信を持てなかったからではないかな。だとしたら、今私たちがする行動は兄さんの指示を待つのではなく、私たちも何か打開出来る方法を思いつかないとこの状況は改善されない》と考えていると、兄さんがまた突拍子もないことを話し始めたんだ。
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俺はアニキから聞いた突拍子もないことを聞いて、疑問符だらけになっていた。
《目の前にいる魔狂狼が【人間が化けている魔狂狼だ】って、どういうことだよ、アニキ。仮にそうだとしたら、【今目の前にいる魔狂狼を俺たちは、倒せない】ということも意味がわからない。それでも、アニキは何か出来ないか考えているみたいだ。だとしたら、俺に出来ることは何かあるかもしれない』と考えた俺は、アニキの指示を待たずに行動していた。
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私は、ユウ兄から聞いた突拍子もないことを聞いて、あり得るのかと考えていた。
《目の前にいる魔狂狼が【人間が化けている魔狂狼だ】っていうけど、あり得るのかな。でも、ユウ兄の説明は説得力があったんだよなあ。例えば、エルダーテイル内の今の時間が夜の設定だし、狼男の御伽噺は夜になるとオオカミに変身するのも間違っていない。だから、私はユウ兄のことを信じてみよう》と考えた私は、どうしたらいいか動いていた。
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私は、ユウマさんから聞いた突拍子もないことを聞いて、そうなのかなと考えていた。
《目の前にいる魔狂狼が【人間が化けている魔狂狼だ】って、ユウマさんはいうけど、本当かもしれない。というのも、ユウマさんが話した狼男の御伽噺や今闘っている魔狂狼の状態を観察したらそうなのかもしれない》と、私は感じてしまった。だからなのか、不思議とユウマさんが今考えていることを何と無くわかる私がいました。
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俺は、目の前にいる魔狂狼をどうして人間が魔狂狼に化けていると考えたかを思い出していた。
遡ると、まだ魔狂狼のHPが残り50%を切ったころだった。
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《魔狂狼の残りHPが50%を切ったか。でも、こんなに速く魔狂狼のHPが減るのはおかしい。何か見落としたことはないか。何かあるはずだ。なんだろう。ダメだ、思いつかない。こういうときは、繰り返し同じ言葉をいってみて思いつく言葉を繰り返したら、何か思いつくかもしれない。魔狂狼、魔狂狼、魔狂狼、狼。狼、狼、狼、オオカミ。オオカミ、オオカミ、オオカミ、月》と考えた瞬間、何かが弾けるように俺の頭に入ってきた。
《オオカミと月といえば、狼男だよなあ。確か、ある男が満月の夜に狼男に変化するっていう御伽噺だったはずだ。待てよ、その現象が今起きていると仮定するなら説明できる。例えば、夜ということはエルダーテイルの設定から夜だということは説明できる。しかし、満月だということは説明できない。どうしたら、いいかな。そうだ、今現在のエルダーテイルの月の満ち欠けを夜櫻さんに念話して調べてもらうというのはどうだろう。いや、それしかないなあ》と思いついた俺は、夜櫻さんに個別に念話していた。
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『夜櫻さん、戦闘中すいません。調べてもらいたいことがあります。いいですか』と急いでいるように話した俺に対して、夜櫻さんは少し怒っているようだった。
『ユー君、戦闘中に念話してくるのはどうなんだろう。まあ、急ぎの用みたいだからいいけどね。何かな』
『ありがとうございます、夜櫻さん。実は、今現在のエルダーテイルの月の満ち欠けを教えてくれませんか。それから、エルダーテイルの時間で夜明けになる時間は現実の時間で換算すると何時になりますか。これらが重要になるかもしれないので、お願いします』と焦るよう話すと、夜櫻さんは何か悟ったように話した。
『ユー君、わかったよ。調べてみるよ。時間はかかるかもしれないけど』
『ありがとうございます、夜櫻さん。では、失礼します』と話して念話をきった。
《さて、これからどうするか。考えても意味がないなあ》と思った俺は、目の前にいる魔狂狼に攻撃していた。
それからしばらくして、魔狂狼の残りHPが5%になったころに夜櫻さんから念話がかかってきた。
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『ユー君、今エルダーテイルの月の満ち欠けは満月よ。それと、エルダーテイルの夜明けになる時間を現実の時間に換算すると10時25分よ。こんな感じでよかったかな、ユー君』と夜櫻さんが答えてくれたことで俺は、迷いが消えた感じがした。
『夜櫻さん、そんな感じで大丈夫です。ありがとうございました。失礼します』と話した俺は念話をきった。
《夜櫻さんに調べてもらった結果と俺の推測を重ねると・・・・・・。
今目の前にいる魔狂狼は、人間が魔狂狼に化けた姿のはずだ。となる、今何をすればいいか。う〜〜〜ん、思いついた。何もしなければいいじゃないか。
何もしなければ、魔狂狼は攻撃してこないはずだ。》と考え抜いた俺はみんなにこのことを話そうとしていた。
次回予告
ユウマがみんなに話した言葉とは、何なのでしょうか。
期待してお待ちください。