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通信劇場

作者: FRIDAY



桜のつぼみがまだ開いていないころ、


俺は高校へ入学する。


なーんて始まりなのだが、


今俺はその高校へ向かっている。


後10分くらいで着くか・・・。


そのときだった。


その辺の路地ですごい罵声が聞こえた。


声「ナンパなんてしてる暇があったら良い仕事付いて社会に貢献しろや、ボケ!暇人が!髪なんか染めて遊び歩くんじゃないわよ!」


うお・・・すげー。


そんな興味から俺はのぞいてしまった。


そこには肩までの短髪の美少女と男2人組み。


俺は悟った。


罵声の内容からして、ナンパに失敗した男の図だった。


美少女はこちらに気づく。


そして目を輝かせた。


美少女「お願いです!助けてください!襲われたんです!」


美少女はか弱い顔をして必死に懇願してきた。


あの罵声はここまで聞こえていましたが?


俺は困ったので頭に手を置いた。


すると男2人組みが俺に近づいてきた。


男「俺達の邪魔すんじゃねぇよ。」


男2「何見てんだよ、コラ!」


おいおーい。


ナンパ男は優しくないとモテないぞ~。


俺「いえ。俺ただ通りかかっただけなんですけど。」


ちなみに学校です!


早く行かせてください!


男「でも見てたよな?」


男2「ちくる前にやっちまおうぜ。」


誰もちくんねぇよ。


俺はチラッと美少女を見た。


美少女の目は好奇心で輝いていた。


なんでやねん・・・。


一人の男は俺に殴りかかってきた。


まぁ俺も?


結構中学のときは問題児だったからケンカの仕方ぐらい知ってるが?


だけど今は更正すると決めた。


高校に入って変わると決めた。


だが今は・・・。


「正当防衛」


そんな言葉が頭をよぎった。


俺はいつの間にか拳をグーに握っていた。


そして瞬きを3回しただろうか?


そのときはもう男2人組みが地に伏していた。


殴っちまった・・・。


そう思いながら俺は乱れた服装を直す。


美少女「すっごい!あんた強いんだね!モテるでしょ?」


俺「知らねーよ・・・。」


未だに目を輝かせている美少女。


そいつは懐から携帯を出した。


美少女「ちょっとあんた!通信劇場に参加しない?あんたみたいな変わった人たちが集まるのよ!やってみない?」


やぶからぼうに何だそれは。


美少女「ただハンドルネームとIDを登録するだけでいいのよ?やってみない?」


俺「ちょっと待て。」


俺は会話を止めてしまった。


俺「通信劇場って何だ?まずはそれを説明しろ。」


美少女「ああ~。」


美少女は俺の先を歩き始めた。


まぁ俺も学校だったのでそいつの後を歩く。


美少女「簡単に言えばチャットよ。でも決まったパスワードを入力しないと参加できないの。そういうパスワードって変わった奴しか知らないじゃない?」


いや、そうでもないぞ?


美少女「だからあんたに教えてあげる!面白いメンバーばかりよ!ちなみにあたしのハンドルネームは「椿」よ。よろしく!」


いや、まだ返事を・・・・。


美少女「決まりっ!パスワードは~。」


俺「ちょっと待て!」


美少女は眉を寄せる。


美少女「何よ。何か質問?・・・ああ!あたしの名前ね!あたしの名前は~。」


違うし・・・。


美少女「珀宮ジュリ!珀宮ジュリよ!あんたに名前も教えなさい!」


なんだそれは。どんだけ強引なんだ?


俺「俺は折原シュウ。」


ジュリ「シュウね!シュウって呼ぶわ!よろしく!」


俺「それでだな~・・・。」


ジュリ「パスワードは624592ね!じゃあ学校で会いましょ?」


そういうとあいつは走って学校の校門をくぐった。


あいつはいつもああなのだろうか?


俺はあいつの人生そのものが心配になったところだ。


シュウ「友達いるのか?あいつ・・・。」


俺は学校の時計を見た。


シュウ「・・・!!!」


顔から血の気が引くのが感じられる。


そして俺は全力疾走した。


遅刻2分前だった。




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