初めての任務
街での一夜を過ごし、疲れを癒した小隊は、次の討伐依頼について作戦を練るため、再びギルドを訪れていた。ギルド内は朝から活気に満ち、多くの冒険者たちが情報交換や準備に忙しそうだ。
「さてと、今回の標的は『クロムリーパー』だ。だがな、単なる魔獣じゃない。どうやら植物系の魔獣らしい。」
槍兵-ガレオがテーブルに肘をつきながら話し出す。
「植物系の魔獣……?」Glowが首をかしげる。
「そうだ。こいつは地面に根を張りつつ、動ける珍しいタイプだ。見た目は花か木みたいだが、動き出せばたちまち厄介な敵になる。」ガレオが地図を指しながら説明する。「場所は街の北にある廃村の近くだ。あの辺り、最近通行人が次々と消えてるらしい。」
リアリアが興味深そうに口を開く。「植物系の魔獣なら、炎に弱い可能性が高いわね。私の魔法が役に立つかもしれない。」
「頼りにしてるぜ、お嬢さん。」と、
ガレオが軽くウインクする。
Glowは冷静に提案した。
「目標の分析と作戦計画が不十分だ。詳細な情報収集を優先すべきではないか?」
「心配性だな、Glowさんよ。まぁ、大丈夫さ。俺たちはいつだってなんとかなってきたんだ。」ガレオは大げさに肩をすくめる。
リアリアが笑いながら言った。「Glow、私たちはいつもこんな感じなの。でも、確かに慎重さも大事だわ。」
それからしばらく情報収集を重ね、北へ向かう道中、風景は次第に変化していった。草原が途切れ、鬱蒼とした木々が生い茂る森が広がる。空気がじっとりと湿り、まるで森そのものが息をしているかのような気配が漂う。
「廃村はもうすぐだな。」
ガレオが周囲を警戒しながら言う。
「確かに、この辺りは妙な気配がする。」リアリアが足を止め、杖を握りしめた。「魔力が渦巻いてる。普通の森じゃないわ。」
「確認する。」Glowがスキャンモードを起動し、周囲の状況を解析する。「目標の気配を捉えた。廃村の中心付近に集中的な魔力反応を検知。おそらくクロムリーパーの活動域だ。」
「よし、行くぞ!」
ガレオが槍を構え、一行は慎重に前進を始める。