夕暮れの街、酒場での出来事
よく見るやつ、少し長めです
夕暮れの街に入ると、賑やかな声と食べ物の香りが一行を迎えた。石畳の道には行商人が露店を並べ、人々が酒場に向かっている。リアリアが小さく笑いながら呟いた。
「ここに来ると、いつも安心するわ。」
「いやー、久しぶりの街だな!」
槍兵が大きく伸びをして、背中の槍を軽く揺らす。
「さて、まずは宿を探して、それから酒だ!お前ら、ついてこい!」
「補給を優先すべきだ。」と、Glowが冷静に口を挟む。
「補給?まあ確かに必要だが……」
槍兵は指を立てながら振り返る。
「それよりアンタ、これからどうするつもりなんだ?」
Glowが少し思案していると、
リアリアが微笑んでGlowの肩に手を置いた。
「Glow、こういう時は彼に任せてみましょう。悪い結果にはならないわ。」
Glowは一瞬だけ考えた後、静かに頷く。
賑やかな酒場に入ると、そこはまるで戦場のような熱気だった。人々が木製のテーブルを囲み、酒を飲み交わし、時折大声で笑い声を上げる。槍兵は腕を広げて席を確保し、Glowとリアリアを呼んだ。
「さあ、座ってくれ!ここが一番安全な情報収集の場だ。」
「騒がしい。」Glowは辺りを見回しながら言う。
「ここが情報収集に適しているとは思えない。」
「アンタには分からないか?この酒場は、日々を懸命に生きるヤツらの知恵袋なんだ。」槍兵が自信たっぷりに言う。
その時、大柄な男が隣のテーブルから声をかけてきた。
「おい、そこのお前!その見慣れない装備、どこで手に入れたんだ?」
槍兵が咳払いして割り込む。
「こいつはとんでもなくデキる魔剣士だぜ。ちょっかい出すのは止めときな。」
「ほう……なら腕試しといこうじゃないか。」
男は立ち上がり、Glowをじっと見つめる。
「断る。」Glowは即答したが、酒場中が「勝負だ!」と盛り上がり、避けられない雰囲気になってしまった。
「まあまあ、こういう時は力を見せておくのも悪くないわ。それにあなたなら、大丈夫なんでしょ?」リアリアが囁くように言う。
数分後、酒場の裏庭で即席の腕相撲大会が始まった。Glowは筋骨隆々な対戦相手の真似をして片手をテーブルに乗せる。開始の合図がかかり、Glowの腕が爆発的なパワーを解放した瞬間、男は吹き飛ぶようにテーブルごと転がった。
酒場が静まり返り…次の瞬間、歓声が爆発する。
「この魔剣士の兄ちゃん、ただ者じゃないぞ!!」
リアリアが苦笑しながら言う。「Glow、やりすぎよ。でも、これでみんなあなたに一目置くわね。」
「無駄な衝突を避けるための措置だ。」
と、Glowは平然と答えた。