鋼鉄の三人
館の中に入ると、ギルド長が険しい顔つきで彼らを迎えた。彼は老人ながらも鋭い目つきを持つ男で、机の上には広げられた地図と大量の報告書が置かれている。
「戻ったか。状況はどうだ?」
Glowは簡潔に報告を始めた。「アルファと名乗る存在が現れ、アンセレスを統率し融合体を生み出している。そして奴は、この世界を『進化』させると述べていた。」
長は眉をひそめる。「進化だと…?」
リアリアが続ける。「アルファは、アンセレスに古代の技術を与えて、さらに強くしているんです。このまま放置すれば、街が危険にさらされるのは時間の問題です。」と、一部の情報をカモフラージュし伝える。
「ならば対策を考えねばならんな…」ギルド長は椅子にもたれかかり、目を閉じて考え込んだ。
「対策なんて言ってる場合じゃない!」ガレオが声を荒げる。「敵がここに来るのを待ってる間に、手遅れになっちまう!」
ギルド長はため息をつき、地図を指差した。
「私たちも手をこまねいているわけではない。近隣の街や国に援軍を要請している。しかし、戦力が整うまでには時間がかかる。」
「つまり、自分たちでどうにかしろってことか。」
ガレオが苛立たしげに槍を叩きつけた。
「そういうわけではない。だが、今この街にいる戦力では、アルファや融合型アンセレスには太刀打ちできんだろう。」ギルド長は申し訳なさそうに「君たちには頼りたくないが……状況が状況だ。どうか力を貸してくれないか?」と言った。
館を出た後、Glowたちは広場に足を止めた。街の人々が不安げに過ごしている様子が目に入る。子供たちの笑顔は影を潜め、商人たちの活気も失われていた。
「結局、俺たちに頼るしかないってことか…。」
ガレオが槍を肩に担ぎ直す。「まったく、これじゃあ割に合わねえな。」
「でも、放っておけないでしょ。」リアリアが険しい顔で言う。「この街を見捨てて逃げるなんて、そんなの私には出来ないわ。」
Glowは二人の意見を黙って聞き、最後に静かに口を開いた。「私もこの街を守るべきだと思う。だが、それだけではない。」
「どういうこと?」リアリアが尋ねる。
「アルファがこの世界を支配しようとしている以上、私たちが動かなければ被害は広がる。それは、この世界全体の危機だ。」Glowは冷たい目で遠くを見つめた。「私はアルファを止める。それが私の役目だ。」
ガレオは少し驚いた顔をしたが、すぐに笑みを浮かべた。「なら、俺も付き合ってやるよ。Glowがそんなに本気になるなら、俺も本気で戦うさ。」
リアリアも微笑みながら言った。
「私もよ。二人だけじゃ心細いでしょ?」
Glowは二人を見て、わずかに口元を緩めた。
「ありがとう。」
三人の決意は固い。そしてその夜、彼らは次なる戦いに備え、装備を整えながら戦略を練った。
鋼鉄の〜人って言いたかっただけです