アルファの尖兵
施設を脱出したGlowたちは、深い森の中を駆け抜けていた。周囲にはアンセレスの影が迫り、どこからともなく獣のような低い唸り声が響く。空気には緊張感が漂い、誰もが無言で状況を打破する方法を模索している。
リアリアが走りながら声を上げる。
「Glow! さっきのやつ、本当にあなたと同じなの?」
Glowは足を止めずに答える。「完全に同じではない。しかし、設計思想は共通している。奴は『アルファ』と名乗った。私のシリーズの起源だ。」
「起源…ってことは、一番最初に作られたってことか?」ガレオが息を切らしながら問いかける。
「その通りだ。」Glowは短く返す。
「だが、詳細は不明だ。私が目覚めた時、既にアルファに関する記録は抹消されていた。」
リアリアは眉をひそめた。
「どうして?何か問題があったの?」
Glowは一瞬黙り込み、冷静に答えた。「推測だが、アルファは制御不能に陥った可能性が高い。」
その時、木々の間から不気味な音が響いた。次の瞬間、黒い影が一行の前に飛び出してくる。
「また新種かよ!」
ガレオが槍を構え、低く身構える。
現れたのは人型に近いフォルムを持つアンセレスだった。だが、その身体の一部は金属で覆われており、Glowの世界の技術を思わせる構造が見え隠れしている。
「…融合体。」Glowが静かに呟く。
「アンセレスと私の世界の技術が組み合わされている。」
リアリアが驚愕の表情でその姿を見つめ、
Glowが前に出た。「排除する。」