α
さらに奥へ進むと、一行は廃墟と化した建物にたどり着いた。金属と石材が入り混じった異様な構造で、建物の一部は木々に侵食されているが、その内側はまだ生きているように光を放っている。
「なんだこれ…建物なのか?」
ガレオが目を丸くして建物を見上げる。
「施設だ。」Glowが即答した。
「私の世界で見た研究施設に似ている。」
「ここに何があるの?」リアリアが問いかける。
「それを確かめよう。」
Glowは施設の扉に手を伸ばし、内部へと入った。
施設内は驚くほど整然としていた。廊下には未知の文字が刻まれたパネルがあり、壁には光を発するラインが走っている。Glowは一つ一つをスキャンしながら進んだ。
「Glow、この文字読める?」
リアリアが壁のパネルを指差す。
「…読める。」Glowは淡々と答えた。
「私の世界で使われていた古い技術データの一部だ。この施設の所有者は、私と同じ出自を持っている可能性がある。」
その言葉にリアリアとガレオは息を飲んだ。
「お前と同じ?」ガレオが眉をひそめた。
「つまり、ここにお前の仲間がいるってことか?」
Glowは静かに首を振った。
「仲間ではないが、私と同じ目的で作られた、同型機かそれに類する存在である可能性は高い。」
リアリアがGlowの顔を覗き込むように問いかけた。「もしそれが本当なら…その同型機が統率者だってこと?」
Glowは一瞬黙り込み、目を伏せた。
「可能性は否定できない。」
施設の奥に進むと、一行は広間にたどり着いた。中央には大きな端末が鎮座しており、その周囲には複数のホログラムが浮かび上がっていた。Glowが端末に近づくと、自動的にホログラムが切り替わり、一つの映像が再生された。
そこに映っていたのは、Glow本来のフレームと同じような外見をしたアンドロイド。だが、その目は冷たく輝き、背後にはアンセレスの軍勢が控えていた。
リアリアが思わず後ずさる。
「これって…!」
映像のアンドロイドが口を開く。
「ようこそ、我が領域へ。貴様らの干渉は予測済みだ。」
その声は無機質ながらも、どこかGlowの声に似ていた。
「貴様は誰だ?」Glowが一歩前に出る。
映像のアンドロイドは冷笑を浮かべるように言った。「我が名はアルファ。貴様と同じ起源を持つ者にして、真の統率者だ。」
映像が途切れると同時に、施設全体が振動し始めた。外からは不気味なうなり声が響き、施設の周囲にアンセレスの軍勢が集まりつつあることを示していた。
「罠だったのか…!」ガレオが槍を構える。
Glowは冷静に周囲をスキャンしつつ、言葉を発した。「統率者…いや、アルファ。奴を追うためにも、この場を突破する必要がある。」
遅くなりました、同系統の力を持つ相手が黒幕なのでしょうか




