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賢者の疑念

部屋の空気が一瞬で重くなった。Glowの目がかすかに光を放ち、賢者の言葉を待つ。


「君は、私の知るいかなる種族にも属していない。

一見すると我々にそっくりだが、私には君の居る場所にだけ、本来あるべき物がない様に見えるんだ。」


ガレオが槍を握り直しながら口を開いた。

「待てよ、師匠さん。Glowは俺たちを助けてくれた。そんな怪しい目で見る必要なんて―」


賢者が静かに制する。

「ガレオ。私は彼を疑っているのではない。彼の存在がこの世界にもたらす影響を憂いているのだ。」


リアリアが焦ったように口を挟む。

「師匠、どういうことですか?」


賢者は一瞬黙り込み、そしてゆっくりと語り始めた。「古代文明は確かに、魔法と科学を融合させる技術を持っていた。そしてその結果、この世界は一度滅びかけたのだ。」


「滅び……?」リアリアが小さく繰り返す。


「その時代、人々は自らの生み出した力に飲み込まれ、やがて破滅をもたらした。Glow、君が持つ力は、その技術に似ている…もし君が暴走すれば、この世界は再び同じ運命を辿るだろう。」


Glowは冷静な声で答えた。「私は暴走しないように設計されている。だが、私がこの地に来た経緯には未解明な部分が多い。賢者殿、協力をお願いしたい。」


賢者はしばらく沈黙し、やがて重々しく頷いた。

「君の存在がこの世界に必要なのか、それとも災厄をもたらすのか。それを見極めるために手を貸そう。」


Glowたちは賢者から魔法と科学の融合に関する書物を託され、それを基に研究を続けることになった。その中には、古代の遺物を動かす手がかりや、次の探索地を示す地図の断片が含まれていた。


塔を後にするGlowたちを見送りながら、賢者は一人呟いた。「彼が希望となるか、それとも破滅の象徴となるか…その答えが出る日は近いのやも知れん。」

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