賢者の警告
遺跡から戻ったGlowたちは、リアリアの提案で彼女の師匠である賢者を訪ねることにした。街外れの山の中腹にある石造りの塔。古びた扉には古代の呪文が刻まれ、薄い魔力の膜が守護の役目を果たしているようだった。
「師匠なら、この遺物の文字も解読できると思う。」リアリアは自信たっぷりに微笑みながら塔の扉をノックする。
やがて扉が軋む音を立てて開き、細身の老人が姿を現す。長い白髪と鋭い瞳、簡素だが高品質な布地で仕立てられたローブ。まさに「賢者」と呼ぶにふさわしい風貌だ。
「リアリアか……久しいな。それにしても、珍しい客を連れてきたな。」賢者の目がGlowに向けられる。その視線はただの好奇心ではなく、明らかに何かを見透かそうとするものだった。
塔の中に招かれた一行は、Glowたちが廃墟で発見した遺物――アーク・セントリーの部品に刻まれた古代文字について賢者に相談していた。
「この文字は確かに古代文明のものだ。魔法を用いた技術を記録するために使われた特殊な表記法だよ。」賢者は遺物を眺めながら言った。
「師匠、これはいったい何を示しているの?」
リアリアが尋ねると、賢者は慎重な手つきで文字を指差しながら答えた。
「『交わる力』……つまり、魔法と異質なエネルギーが融合したものだ。この文字は、その融合を成功させるための技術を記したものらしい。だが、その具体的な内容は失われている。」
Glowが前に出た。
「賢者殿、その『異質なエネルギー』について詳しく知りたい。この世界にとってそれは何を意味するのか?」
賢者はGlowをじっと見つめた後、低く呟いた。
「それは、この世界の理に属さない力。すなわち、君自身のような存在が持つものだろう。」