古の手がかり2
廃墟の奥に佇むその装置は、まるで時を超えてなお使命を果たす守護者のようだった。青白く輝くコアから放たれる魔力の波動が空間を支配している。リアリアが驚愕と共に呟いた。
「これ……古代文明の兵器かしら?アーク・セントリー――そう呼ばれていた可能性があるわ。」
「アーク・セントリーか……興味深い。」
Glowが低く反応した。「その名前が示す通り、廃墟を守るように設計されたものだとすれば、私たちの侵入は許されないだろう。」
アーク・セントリーが放つ光が一瞬で部屋を満たした。その動きは予想以上に俊敏で、Glowと同等の機動力を備えているかのように空間を滑る。
「こんな場所でこんなのと戦うなんて!」
リアリアが叫びながら炎の魔法を放つ。しかし、アーク・セントリーの周囲に展開された魔法的なバリアに炎が吸収されてしまう。
「魔力障壁か。ならば…!」Glowはスラスターを全開放し突進する。自身の骨格と酷似した存在に対する奇妙な感覚を抱きながらも、彼は「メガ・ブラスト」を腕部から発射した。
光の束がアーク・セントリーのバリアを破り、片腕を破壊することに成功する。しかし、コアはなおも稼働し、アーク・セントリーは周囲に魔力を放射しながら反撃を試みる。
「これだけの魔力…ただの兵器じゃないわ!」
リアリアが警告する。
「無力化する必要がある。」Glowは再度突撃し、
アーク・セントリーのコアを直接破壊するために腕を振り上げる。フレームが拉る音と共に、ついにアーク・セントリーは沈黙し、青白い光が消えた。
戦闘が終わり、Glowは破壊されたアーク・セントリーの残骸を調べる。その内部には古い文字が刻まれた板が埋め込まれていた。
「この文字、さっきの壁の模様と同じだわ……でも、少し違う。」リアリアが興奮しながら近づき、慎重に文字を読み取る。
「『二つの世界を繋ぐ鍵』……? これって、どういう意味?」
彼女が呟いたその言葉に、Glowの処理回路が反応した。「二つの世界」という言葉が自分の転移の謎と関係しているように感じられたのだ。
「この遺物は、魔法と科学を融合させた古代文明の産物だ。そしてその文明は、私の強化やリアリアの魔法技術にも役立つ可能性が高い。アーク・セントリーのパーツを何点か持ち帰り解析しよう。」
Glowの言葉に、リアリアとガレオは静かに頷いた。その時、彼らは今回の遺跡探索が、多数の可能性を秘めるものであることに気づき始めていた。




