崩壊する世界2
Gはそれまでと違い異常な動きを見せる。
口腔が開き、内側から不気味な光が漏れ出す。
それはまるで、地上に存在する全てのエネルギーを集めたかのような、膨大な力が凝縮された光線だった。Gはその攻撃の前に、数秒の静寂を保ち、恐怖を感じさせるほどの瞳でGlowを睨む。
しかし、それを見ていたGlowは即座に最大の攻撃へと移行する。集中した高エネルギーに別のエネルギーを干渉・爆発させ、Gの頭部へ致命的なダメージを与えようと考えたのだった。
「次の攻撃準備。ギガ・ブラスト、最大出力。」
Glowの胸部で巨大なエネルギーが渦巻いている。
高圧のプラズマが全身を巡り各部が発光する。
それはまさに、人類の叡智が脅威を打倒せんとする希望の光だった。
「ギガ・ブラスト、発射!」
二つのエネルギー波が正面で激しく衝突した瞬間、天地がひっくり返るような衝撃が走る。
Gの吐いた不気味な光線と最大出力のギガ・ブラストがぶつかり合った結果、爆発的な力が一瞬で膨れ上がり、周囲の空気を引き裂く。衝撃波が周囲の構造物を粉砕し、地面が割れ、空間そのものが震えだす。
その衝突から生じたエネルギーは、予想を超えるものであり、空間の法則を乱すほどの力を持っていた。エネルギー波が渦を巻き、次元の裂け目が広がり始める。空間が歪み、色がねじれ、時間が乱れ、まるで世界そのものが崩れるような感覚が襲ってくる。
閃光が反射し、激しい爆発音とともに、二つのエネルギー波が何度もぶつかり合う。
_次元干渉!次元崩壊が発生中!_
Glowのシステムは危機的な状況を即座に認識する。周囲の空間が反転し、歪んだエネルギー波が次々と新たなひび割れを引き起こしていく。Gの目の前に広がる裂け目は、まるで別の次元への扉のように開かれ、そこから異常な力が漏れ出す。
_データエラー!空間が不安定化中!_
エネルギー波の交錯がさらに激しくなり、次元の裂け目は広がり続ける。GとGlowの間には虚無のような空間が広がり、すべてが引き寄せられるように渦を巻いていく。まるで二つの異なる現実がぶつかり合って、世界が崩壊するような感覚だ。
_転送現象を確認。次元干渉が激化、転送開始。_
次元が歪み、空間が崩れる中、Glowの体は暴走するエネルギーに引き寄せられる。Gの凶暴な光線と、Glowの全力で放たれたギガ・ブラストがぶつかり合い、最終的にその衝撃波によって、二つの存在が一瞬で異世界へと転送される。
_転送成功。_
光が爆発的に広がり、Glowの視界が一瞬で闇に包まれる。次元の裂け目を通り抜け、まるで全てが崩壊し、再構築されたかのような感覚が走る。
その瞬間、Glowは完全に別の世界に転移していた。




