山中の遺跡2
仕事中にふと、忍者が現代に転生して同じように転生した侍や宣教師達とサッカーでバトルしたら意味不明で面白そうと思いました。
音の主はすぐに姿を現す。それは他のアンセレスとは異なる異様な存在だった。体長は3メートル程度で、樹皮のような硬い外殻に覆われた植物と動物の融合体のような姿をしている。四肢は異常に長く、赤ん坊のように地面を這いながら進む。
「…これまでに見たどのアンセレスとも違う。」
リアリアが声を震わせながら呟く。
Glowがデータベースを照らし合わせるが、一致する記録はない。「未知の種別だ。暫定的にベビーと命名する。」
ベビーの頭部が不気味に開き、その中から赤い光がほとばしる。同時に、遺跡の魔法陣が強烈に輝き始めた。
「魔法陣が動き出してる!?これ、まずいわよ!」リアリアが叫び、炎の魔法を準備する。
さらにベビーはその長い触手を伸ばし、Glowたちに襲いかかった。Glowは素早く側転してかわしながら、片刃サーベルを白熱化させる。
「敵性個体:ベビーの攻撃パターンを分析中。
リアリア、ガレオ、距離を取れ。」Glowが指示を飛ばすと同時に、触手の一部を片刃サーベルで斬り飛ばした。しかし、その切断面から新たな触手が芽吹くように再生する。
「自己再生まで出来るなんて…厄介すぎる!」
リアリアが手を振りかざし、火球を発生させる。その炎がベビーの外殻を包み込むが、硬質の外殻はほとんど燃えることなく、その内部が魔力で輝いているのが見える。
「こいつ、ただの植物系じゃない。まるで魔法そのものが生物に宿ったような存在だわ。」
リアリアが苦々しげに言う。
戦いは次第に激しさを増していく。ベビーは魔法陣からエネルギーを吸収しているかのようで、その攻撃はますます苛烈になる。一方で、Glowの解析データが戦況を変えつつあった。
「リアリア、あの魔法陣を封じる事は可能か?」
Glowが短く問う。
「そうね…やってみる。でも時間がかかるわよ!」
リアリアは息を整え、魔力を魔法陣に向けて集中させ始めた。
ガレオは槍を構え、Glowとともにベビーを牽制し時間を稼いでいる。
Glowの有機体系ミサイルがベビーの周囲で炸裂しわずかな隙を生むと、すかさずガレオが槍で乱れ突いた。
リアリアの集中力が高まるにつれ、魔法陣が次第に光を失っていく。それに反応するようにベビーの動きが鈍り、ついにGlowのメガ・ブラストがその頭部を完全に吹き飛ばした。
遺跡に静寂が戻る。
「まったく…誰だよ、こんな化け物にベビーなんて
可愛らしい名前を付けた奴は。」
ガレオが息を切らしながら言う。
「魔法とアンセレス……これには何か深い繋がりが
ある。」Glowは分析を続けながら呟いた。
「シカトかよ!」
「アンセレス…この名前、やっぱりしっくりくるわね。」リアリアが軽く笑みを浮かべると、風が髪を揺らす。
彼らは次なるアンセレスの目撃情報を追い、
再び歩き始めた。