氷の試練
山岳地帯に向かう道中、一行は徐々に気温が下がっていくのを感じていた。風は冷たく肌を刺し、雪がちらつき始める。Glowは変わらず冷静だが、リアリアとガレオは寒さに対抗するために厚手の外套を身にまとっていた。
「うわぁ、ここ、本当に寒いな。俺たちが普段いる街とはまるで違うぜ。」ガレオが歯を鳴らしながら言う。
「山の気候は厳しいのよ。でも、こんな寒さでアイスバインドと戦うなんて、本当にできるのかしら。」リアリアは肩をすくめながらつぶやいた。
「問題ない。私は寒冷地でも能力が低下しない様に設計されている。」Glowが淡々と説明する。
「Glowには寒さも関係ないってわけね。」リアリアが小さく笑う。「私たちも負けてられないわ。」
ガレオが鼻をすすりながらうなずく。
「けどな、Glow、お前が平気でも俺たちにはキツイ。火でも起こして休憩しようぜ。」
雪山での奇妙な足跡
一行が焚火を囲んで休んでいると、Glowが突然視線を遠くの雪原に向けた。
「何かが接近している。」
「もしかして魔獣か?」ガレオが槍を構え、警戒する。
「分からない。足跡の形状が通常の四肢生物とは異なる。」Glowが言い、立ち上がる。
リアリアは少し顔を曇らせた。「魔獣でもなければ、何なの?」
Glowはすぐに雪原へと進み、足跡を確認した。それは巨大な爪を持つ何者かの痕跡で、周囲の木々が鋭利な刃物で切り倒されたかのように裂けていた。
「アイスバインドの可能性が高い。だが、この痕跡はさらに複数の生物がいることを示唆している。」
「複数ですって?」リアリアが不安げに尋ねる。
「この山には他にも魔獣がいるのか……嫌な予感しかしないぜ。」ガレオが槍を握り直す。