オーパーツを見つけた時、我が国と同盟国は戦争に勝利した。
「オイ! 赤色帝国に引渡そうとしていた膨大な武器を何処に隠したんだ? 転送場所を言え!」
「知らねーな、自分で探せよ、ハハハハハ」
「糞! 解明出来たか?」
「駄目です、時空間も何もかも装置がめちゃくちゃに破壊されていて調べようがありません」
銀河連邦の警官達は赤色帝国に膨大な武器を密輸しようとしていた密輸業者を摘発したのだが、肝心の赤色帝国軍の全兵士を武装させる事ができるだけの武器が消え失せていたのだ。
「先生……じゃなくて、隊長! 此れを見てください」
首都ベルリンの十数キロ東にある村で、徴集された学生で編成された1個小隊の部下を率いて押し寄せて来る敵を待っていた私は、部下が手にしている物を見て怒鳴りつける。
「おまえ、またあの遺跡に行っていたのか?
あと数時間もすれば、露助共が押し寄せて来るとに言うのに、死にたく無かったらサッサッとタコ壺を掘れ」
敵の投下した爆弾で掘り起こされた未知の遺跡、考古学を専攻していたこの若者がその遺跡に興味を持つのは分かる、だが今は戦争中なのだ。
「そんな事より此れを見てください。
遺跡にあった武器のオーパーツだと思われるのですが、私達が手にしているパンツァーファウストやパンツァーシュレッケが、豆鉄砲に思えるくらいの性能なんです」
「何だと?」
「あそこに擱座したタイガー戦車がありますよね」
「あそこまで、1キロ以上離れているぞ」
「はい、見ていてください」
部下は見慣れない拳銃のような物を構え引金を引いた。
拳銃のような物から光線が擱座した戦車に向けて伸びたと思ったら、戦車がドロドロに溶けた。
その威力に唖然としながら部下に問う。
「そ、それは…………その武器は、それだけなのか?」
「イエ、遺跡の地下数百メートルの所にある巨大な倉庫の中に大量に保管されてます」
遺跡から発掘された膨大なオーパーツで武装した我が軍は、押し寄せる敵軍を撃破。
撃破したのち攻勢に転じ、国土を蹂躙していた全ての敵を葬る。
オーパーツは我が国と同様に風前の灯だった同盟国にも供与され、我々は戦争に勝利した。
ジークハイル!