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最後のパーティー


僕はアイテムボックスから古びた剣だけ見せた。


「あはははは。やっぱりお前ろくな武器と契約しなかったみたいだな!そんな古びた剣なまくらに決まってる。今からでも教会の人に頼んでやり直して貰えば?(笑)これで正真正銘親の七光りってことが証明された瞬間だな」


僕は悔しくて言い返せなかった。しかし、結局は今日までで、ここを出るんだ。僕が少し我慢すればいいと思っていると、


「あんたバカにしすぎじゃない?バカにしている相手はあの勇者の息子よ。つまりは公爵よ。貴女は公爵家に喧嘩を売っているのよ。貴女子爵でしょう。そのうち消されるかもね?貴女のせいで。それにアレンは私の婚約者よ。」


顔の整った金髪の美女がとつぜん話に入ってきた。


つっ。姫様はこんな奴に国を任せろと言ってるのすか?こんな奴に国を任せたら国が荒れます。ならば私が自分でやったほうが良い。


「そう。貴女は私と番になれると思ってるのね。そんなことはありえないわ。もしアレンが国の仕事ができなくても私がサポートします。」


僕は修行をするためにこの国を出ることをものすごい言いにくくなった。何を隠そうこの姫様は王国の発展の第一人者なのだ。そう考えると僕の心の中は穏やかではないのは察してくれ。


「ねえ、アレン。私、貴女のことが好きなの。だから私から逃げないでね?もし私から逃げるのならば一生監禁して逃げられないように私のことを好きになるまで洗脳するわ。」

ゾッとした。


え?何?僕の考えていることわかるの?姫様ってこんな性格だったっけ?今日は、国を出る日なのにどうしてこんなことになったんだ?考えているうちに


「あ、アレン見つけたわ。早くうちに帰りましょう。あ、こんにちは。姫様。うちのアレンが日頃世話になっております。今日のアレンの誕生日会参加されますか?」


「もちろんです。義母様。私もアレンの誕生日会には当然参加させていただきます。もうすぐ私とアレンの結婚式なのですから。この国の法律を改正させるのはチョチョイのチョイです。なるべく早くアレンと結婚したいので国王(お父様)を脅せば大抵のことはなんとかなります」


「そうね。うちのアレンは見た目より賢いから今日の誕生日パーティーが終わったら抜け出すんじゃないかしら?(ギラリ)」

鋭い目つきで僕の方を見た。


「か、母さん。まさか自分がそんなこと考えてるわけないじゃないですか。僕は決めた事は必ず遂行しますがそれは事前に言ってからやります」


「はあ、そう言う事じゃないのよね。全く貴女は」

僕を見て呆れたように言った。


「アレン。貴女はうちの姫様から逃げ切れると思ってるの?ああ見えても多分わたしより強いわよ。」

僕はえ?と言う顔をして、驚いた。


「う、嘘でしょ?」

母さんは明後日の方向を向いた。


「父さんは勇者で母さんは聖女でしょ?母さんもそんな冗談言うんだね?でも良くないよ。僕はそんな事で驚いたりしないよ?しないからこっちを見て話そうか。」


「さあムツキ、わたしの家に行きましょう?ちょっと貴女としたいことがあって、夫婦水入らずの時間を過ごしましょう?大丈夫よ。わたしは貴女がいればそれでいいの。だから一緒ないましょう。もう教会の洗礼も武器の契約も終わったんでしょ?」


姫様が僕を引っ張った。僕は取り敢えず思った。

あ、これ捕まったら最後逃げきれない奴だ。よし、逃げよう。


僕は逃げようとした。しかし、母さんが僕の手を掴んだ。


「ごめんなさいアレン。私達は、家でやることがあるから、ちょっと姫様と王城で過ごしてきてらっしゃい。ウフフ。もうすぐ孫の顔を見れそうで安心したわ!」

申し訳なさそうに母さんは僕に言った。


僕はそれでも逃げようとしたが、ガッチリと母さんの手が僕を掴んで話さなかった。


そして姫様が来て


「ありがとうございます義母様。もうすぐ孫の顔みれると思うんで楽しみに待っていてくださいね!

さあアレン、わたしと一緒に王城に行きましょう。華やかしい未来が待っているわよ。」


僕は逃げようとしたが、姫様の手も、ガッチリしていて離れなかった。


僕は頭をフル回転させて、どうやったらここを抜け出せるか考えた。しかし考えれば考えるほど不可能という文字が頭の中に出てくる。

考えているうちに、あれ?僕と姫が結婚するのは僕にとっていいことしかなくないか?という考えに至っていた。

「もう、あんまり暴れると眠りについてもらいますわよ」


ストン


姫様が手刀で僕の首を打った。


「手荒なことをして申し訳ありません」


「いえいえ、将来の妻である貴女にはなんの問題もありませんよ。それじゃあ私は、計画通りに…………」


僕の意識はそこで消えて行った。


ガタガタガタ

馬車の動いている音がした。

なんかいい匂いがする。このまま眠ってしまいたい。この毛布もふわふわだ〜〜ん?毛布?馬車の音?でも本当にいい匂いだなぁ。もうどうでもよくなるほどここで寝てたい。でもここで目を開けなきゃ後悔する気がする。僕は目を開けた。


「あら、目覚めましたか?ウフフ。わたしの膝で寝ててどうでしたか?気持ちよかったですか?」


「どうして僕はここに?」


「それはとつぜんアレンが倒れてしまったの(嘘)それで心配した私が王城の医務室に向かっているところよ」


ガタ。馬車が止まった。


「あら、着いたようですわね。それじゃあアレン、私の部屋へ行きましょう。アレンには、将来的住んでもらう部屋を決めてもらう必要があるからね。今日は、ついでに決めてもらいますわよ」


こうしてアレンは、王城の中に入って行った。


「さあアレン、部屋を決めてください!やっぱり私と隣の部屋がいいわよね?はいって言いなさい。はいって言いなさい。はいって言えば、私といつでも会えますよ!」

姫は自信満々に言っている。その時、


白髪の老人が入ってきた。

「これ、アレンくんが困っているだろう。アレンくん、久しぶりだね前回会ったのは君の一年前のパーティーだったかな?」


「あらお父様、邪魔しないでくださいますか?私達は、将来一緒に住む部屋を決めてるのですよ?」


「へ、陛下。久しぶりでございます」

アレンは跪いた。


「良い良い、そんな堅苦しくなくても良いぞ。お主はいつかアリア(姫の名前)の婿になるのだから」



「それよりお父様、お話があります。王国の結婚基準を変えたいのですが、お父様だったらなんとかしてくださいますよね?」

国王の目が曇った。


「そ、それは厳しいと思う。アリア、もう少しでアレンくんと結婚出来るんだからもう少し待てないか?」



「陛下、そのことに関してなんですけど………」

僕は今ここでいうべきか迷った。姫のいる場所で言うべきか、言わないべきか、うーん



「何だ?その目はまだ強くなるのを諦めてないとみた。しかし、お主はアリアの婿だ。アリアを説得してから言いなさい。話はそこからだ」

やっぱり陛下にはなんでもおみとうしだなって思う反面、姫からは少し威圧が出でいた。



「ねえ?アレンどういうこと?まさか私から離れるなんてないよね?ねえ。なんか言ってよ。私がそんなこと許さないわよ。監禁してやる。洗脳してやる」



うっ、やっぱりこういう時の姫は苦手だ。いったいどこからこんな性格になったのか………

答えは永久に出てこないと思って考えるのをやめた。

それよりも今は姫をを納得させる理由が必要だ。



「こういうのはどうかな?結婚が16歳からだからそれまでに姫様に釣り合う男になって戻ってくるよ。さしたら僕たちが結婚しても誰も文句を言う人はいなくなるでしょ。だから姫には魔道具で僕のことを監視してもらってもいい。それならどう?」


「うーん。6年間か………まあ、その理由なら納得はいくけど、旅の途中で知らない女を作ったらタダじゃあかないわよ。それこそ、一生監禁生活を送ってもらうからね!」


ふうーー。何とかなった。陛下が驚いた顔をしている


「ま、まさかアリアを説得させるとは恐れ入った」

心底驚いているようだった。いつも姫は何をやらかしてんだ?


「それでアレンよ。いつ出発するんだ?」


「今日です。なるべく早くに強くなりたいんで。あと姫の束縛を少しでも逃げられるように(コソコソ)」

姫には聞こえないように言った。



「ああ、なるほど。それが一番の目的か。確かに執着心は親のワシから見ても異常だからな。お主には頑張ってもらわなければな。手紙は書けよ。そういえば勇者と聖女には言ったのか?」


「いえ、今日の誕生日パーティーに言うつもりです。ほぼ確実に止められるんで」


「話しすぎてしまったな。もうすぐ日が暮れる。家に帰りなさい。あ、あとでワシも行くから。ミレイさんにもよろしく言っといておくれ」


「あっ待って、アレン。私も行く」

姫が後からついてくる。こうしてアレンは王城から出た。


ガタガタガタガタガタ、ガタ


「着いたみたいね。取り敢えずアレンが今日の主役なんだから堂々としてなさい」


その言葉を聞いて少しほっとしてしまった。そして僕はドアを開けた。

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