073 井戸端会議
ペレイラとノートン視点
「ペレイラさん、ちょっといいかしら」
「ハイなんでしょうか、ノートンさん」
「言いたくはないけど、私たちを買ってくれたご主人様、おかしくないですか?」
「あの昨日見せてくれた、水の精霊の踊りとか」
「どこから出してくるのか、わからない食事とか」
「そうですね、昨日の水の踊りとか綺麗だったですね」
「食事に関しては、なんかパーティ来る」とか言ってましたよ。
「パーティって、あの冒険者の集団かい?」
「てことは、冒険者の集団が飯を運んでくるてことかい?」
「さあ、その辺はよくわからないですけど、子供たちは喜んでますね」
「こんな美味しい飯、食べたことがないって、大喜びですよ」
「確かに、私も久々にパン食べたよ、しかも柔らかくて、上質だ」
「玉子料理も出てきて、こりゃ腹壊すかなと思ったら、全然大丈夫だし」
「この部屋だって、すごく豪華だ、寝床もフカフカだしね」
「まさかとは思うけど、魔王の仮の姿じゃないよね」
「そんなことはないと思いますよ」
「前に聞いた時、自分はダンジョンマスターだと言ってましたから」
「ダンジョンマスター? あの洞窟の中で、魔物を操つる魔人?」
「でも魔物も洞窟もいないじゃないか?」
「さあ、その辺は私も図りかねますが、悪い人ではないと思いますよ」
「たとえ魔王だったとしても、私たちは奴隷ですから、ついていくしかないと思いますよ」
「そうだね、それしかないね」
「獣人の2人なんか、好き放題やってるし」
「くしゅん」
どうしたミーシャ?
「なんでもないにゃ」