517 インブラの宿屋5
一方、こちらはインブラの宿屋。
「いやー、これダンレンジだっけ、
これを貸し出してくれるとは思わなかったな」
「そうですよ、俺たちがごねたから出してくれたんですよ、
感謝して早く仕事を覚えてあっちに帰してくださいよ」
「しかし、あっちでもこれ使ったけど、
いったいどうゆう構造なんだ?」
「何でも、星野マスターが言うには、
この箱の中を、小さなダンジョンに見立てて、
そこに魔物の代わりに、
食品やらを召喚するらしいです」
「と言うことは、マナを使っているわけか?」
「まあよくは分からないが、とりあえず肉を召喚してみるか」
ポチっとな。
「おお、音がして出てきたようだな」
「ふーん、結構大きな骨付き肉が出てきたな」
「あっちじゃ、大きな鉄板で肉を焼いていたが、
骨がついているから焼きずらいな」
「何でも、バーべキュウとか言う、焼き機で焼くとか言っていたな」
「取り敢えず、骨の部分から切り取って、
鉄鍋で焼いてみるか?」
「うーん、すごく柔らかく美味いんだけど、
肉が厚いせいで中まで火の通りが悪いな」
「そうですね、中はほとんど生みたいですね」
「まあ、肉の素性は分かった、今度はあのバーべキュウとかいう機械で焼いてみるか」
「しかし、このダンレンジは、無限に物が出せるのか?」
「よく分からないですけど、ホテルでは無限に出てきましたね」
「あの、星野とか言うマスターは何者なのだ?」
「肉ダンジョンのマスターでも、こんなには肉とか出せんぞ、
おまけに料理に詳しいし、全く不思議だ!」
「そうですね、俺たちにも分かりません」
「でも、うまい料理作ってくださいね」
「ああ、帰るまでには、すごく美味い料理を作ってやるさ」