500 戒厳令11
俺の名前は、ビロン・チチパス、
今はジンギギスタンの辺境砦の難民のリーダーをやっている。
せっかく食料と武器が手に入ったので、
辺境伯の屋敷と町に侵攻したのだが、
結果は、なんと無血開城だった。
辺境伯からは、「降伏する、村人を殺さないで欲しい」と、
嘆願をされた。
憎き辺境伯だが、利用価値もあるだろうから、
殺すことはやめにした。
あまりにあっさり降伏したので訳を聞いたら。
なんと、今王都は長男派と次男派に分かれて内戦中だとか。
これが本当なら絶好の機会だ、
ひょっとしたら共倒れしてくれるかもしれない。
辺境伯に理由を尋ねたら、なんと教会と王宮の金庫の中身が、
大盗賊により盗まれたらしい。
あの仮面の男の仕業か・・、だとすると置いて行ったのは、
教会が保管していた、ポーションとか魔石類か。
「リーダーどうします? 勢いに任せて王都まで攻め上がりますか?」
「馬鹿を言え、暫くは情報収集に徹して様子見だ」
「それと、商人に顔を繋いで、食料と武器の調達だ」
「この町には確か組合があったよな?」
「組合の代表も含めて、会議を開こう」
組合との会議を開いた結果、組合は全面協力を約束してくれた、
元から、地方は中央から下に見られており、面白くなかったそうだ。
本心はどうかは分からないが、今はこちらの方が優勢だと判断したのだろう。
今は、味方は多いに越したことはない、
上手くいけば、大三元帝国みたいに、国を転覆できそうだ。
それにしても、あの仮面の男は何者なのだ?
まあ一応感謝しておいてやろう。