493 戒厳令10
ドウデ・モイイ村を襲った、賤族の盗賊はびっくりしていた。
「今話題の、王都の盗難事件の犯人は第一騎士団だったのか」
「待ってくれ、それを持っていかれたらおらたち困る」
「首と胴体が泣き別れになってしまう」
「そんなことは知らねえよ」
「頭領、この箱は魔封印されてますぜ」
「そうだ、その箱は魔封印がされているから、開けることができねえ、
だから、その箱だけでも置いて行ってけれ」
「そんなことは知るか、とりあえず全部持ち出せ」
「ヘイ!」
魔封印された箱の解除方法は、主に3つある。
1つは、魔封印を掛けた本人か、解除方法を教えられたものが、
解除する方法。
2つ目は、経年劣化によって封印が弱まるまで待つ方法。
そして、3つ目は箱に掛けられている魔法を、吸収する方法、
つまり、ダンジョンに持ち込んで、暫く放置しておけば、
ダンジョンコアが、魔法を吸収してくれて、開けることが可能になる。
問題は、ジンギギスタンには、ダンジョンがない。
ここからだと、一番近いのは隣国のモルゴンダンジョンか、
上手く話しに応じてくれればいいのだが・・。
「おう、おめえらトットと撤退するぞ」
「ヘイ!」
★ ★ ★
その頃の、次男ムンフエルデネ・アマラーは。
「金の心配はするな、奴らから引き抜けるだけ引き抜け」
「金の力がいかに、偉大か見せつけてやる、( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」
「アマラー様、一大事に、ございます」
「どうした」
「ドウデ・モイイ村が賤族に襲われました」
「何だと・・・('◇')ゞ」