491 戒厳令8
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
その夜、第二皇子ムンフエルデネ・アマラー邸に、
親衛隊がやって来た。
「我々は、王都親衛隊である、重要な報告があったので、
貴邸を捜査させて欲しい」
「これは異な事を、重要な報告とは?」
「先日、王宮、教会から盗まれた、財宝を、この館で見たと、
皇子の召し抱えているメイド、ジェスタ殿より報告があった」
「ガルト2世国王よりも、捜査の許可を得ている」
「私も、王位継承第2位の皇子、もし捜査をして、
何もありませんでしたら、どうするおつもりかな?」
「その時は、わが首を差し出そう」
「分かりました、捜査されるがよい、
但し壊したものは弁償してもらいますからね」
親衛隊が、天井裏から用足しまで調べたが、
それらしき物は見つからなかった。
「隊長、まずいですね、全然それらしき物ありませんよ」
「そうだな、このままだと俺の首が胴体とお別れになってしまう」
親衛隊隊長が逃げ出そうとすると。
「あれ、隊長殿お帰りですか?」
「私には、王に報告する義務がある、途中経過を報告しに、
一時的に報告に戻るだけだ」
「そうですか、せいぜい首を奇麗に洗って待っていてください」
親衛隊隊長は、這う這うの体で王宮に逃げ帰った。
さて、こちらには金銀財宝がある、引き抜ける奴は引き抜いて、
骨抜きにしたところで、父上と兄上には黄泉国に行ってもらいますか。
その頃、賤族の盗賊団が、田舎の村を襲って、金銀財宝を手に入れたことを、
第二皇子は、知る由もなかった。