490 戒厳令7
今年は、皆様につたない小説をお読みいただき、
誠にありがとうございます。
来年もよろしくお願いします。
第二皇子ムンフエルデネ・アマラーの夕食会。
「どうした、ジェスタ顔色が悪いようだが」
「はい、すこし風邪を引いたようでして、
申し訳ありません」
「それはいかんな、今日はもう下がって養生するがよい」
「はい、ありがとうございます、お言葉に甘えまして、
下がらせていただきます」
メイドのジェスタは、こうして下がって行った。
「ナルマンダフ、密告しに行くと思うか?」
「はい、おそらくは、すぐにでも行くと思われます」
外を見張っていると、逃げ出して行くジェスタがいた。
「お前の予想通りになったな、あれはお前の故郷に移しておいて、
正解だったな」
「何時親衛隊が来ても良いように、こちらも第一・二騎士団を、
呼び戻しておきましょう」
★ ★ ★
ちょっと戻って、とある田舎村。
賤族の残党が、村を襲う計画をしていたころ、
村に大きな馬車が到着した。
「おいおい、こんな田舎村に物々しい警備だな」
「あれ、俺、奴ら知っているぞ、ありゃ第一騎士団のやつらだ」
「こんなとことに、何の用だ?」
騎士団に見つからないように、隠れて見ていると、
どうやら荷物を降ろしているようだった。
しばらくして、荷物を降ろし終えた騎士団は、
元来た道を帰って行った。
「おい、何か分からねえけど、お頭に報告だ」
つづく。