487 戒厳令4
話は1つ戻って、ジンギギスタン国境警備隊。
「戒厳令 ? そりゃ一体どうゆうことだ」
「はあ、詳しいことは分からないですけど、
何でも王宮と教会の金庫に盗賊が入ったようで、
宝物やら魔石が盗まれたらしいんですわ」
「バカなことを言うな、警備は厳重だし、
おまけに、二重の魔法障壁が掛けられており、
持ち出しは不可能なはずだ」
「そう言われましても、おらたちにはわからないですだ」
うーん、その話が本当だとすると、
今王都に帰るのは得策ではないな。
暫くは、ここで新しい情報が入ってくるのを待つか。
いや、この村だと、残った兵士が寝泊まりする場所が足りない、
隣に行けば、組合もあるし、空いていれば宿に泊まることができるだろう。
飯を食い終えて、一休みしたら隣の町へ侵攻だ、
今から急いで行けば、夕方には町に着くだろう。
ジンギギスタン国境警備隊は、強行軍で隣町まで着いた。
門番兵に聞いてみたが、やはり同じようなことを言っていた。
うーん、内部犯行に、ほぼ間違いはないがどっちだ、
第一皇子か第二皇子か、付く方を間違えるとお終いだ。
組合に尋ねても、答えは同じだった。
そこで俺は、組合長に、しばらくの間滞在を交渉した。
この情報は、賤族の残党にも伝わっているだろうし、
この町が攻め込まれる可能性がある、
実際、俺たちの守っていた国境の砦は、
落とされたことを伝えると、組合は喜んで応じてくれた。
あの魔物使いが攻めてきても、
食料はあるから籠城で持ちこたえられるだろう。