485 戒厳令2
絶賛逃走中のジンギギスタン国境警備隊。
「ふう、ここまで逃げれば追ってはこないようだな」
「隊長、腹減りましたよ、どこかの村で飯食いましょうよ」
「そうだな、確かこのすぐ先に村があったはずだ」
「でも、あの魔獣使い、今頃怒っているでしょうね」
「占領してみたら、金も食料も無いんですから・・」
「そこまでは、こっちは知らんわ」
ジンギギスタン国境警備隊が、村に着くと村人はびっくりしていた。
「あれ、軍人さん、何かあったのですか?」
「いや、ちょっと訳があって、王都に戻るところだ」
「食事がしたいので、飯屋に案内してくれるか、金はある」
国境警備隊は分散して、飯を食っていた。
「どうやら、国境の砦を放棄したのは、知れ渡っていないようだな」
「そうですね、しかし、あの魔獣使い、何だったんですか?」
「一人で、あんなに沢山の魔獣を、
連れているなんて聞いたことないですよ」
「それよりも、あの魔獣の強さ、尋常じゃないぞ」
「急いで王都に帰って報告せねばなるまい」
「ひょっとしたら、あの魔獣使い、魔王なんじゃないですかね?」
「うむ、あり得るな、もしそうだとしたら合点がいく」
「よし、飯を食い終わったら、隣の村まで行くぞ」
「今から行けば、夕方には村に着くだろう」
国境警備隊が、次の村に着くと、村人が警戒警備をしていた。
「どうした、何かあったのか?」
「王都から、戒厳令が来た、理由は全く分からねえ」
「あんたら、それでこの村に来たんじゃねえのか?」
「戒厳令? オイオイいったいどうなっているんだ?」