484 戒厳令
ジンギギスタンに戒厳令が敷かれて、まる1日経った。
一応緘口令を敷かれたが、意味がなかった、
あっという間に、王都に大盗賊現るが知れ渡った。
事態を重く見た王宮は、教皇の引退、王宮の宝物庫を、
管理をしていた、親衛隊は、隊長がジンギギスタン国境警備に、
左遷することに決まった。
問題は、両方の総監督であった、第一皇太子の処遇である。
当然、次男ムンフエルデネ・アマラーは王位継承権剥奪を、
提案したが、第一皇太子の派閥が抵抗して、
一時謹慎という線で落ち着いた。
親衛隊隊長が向かうのは、もう知る由もない、
ヤシリギ共和国との国境の砦である。
とりあえず、穀物庫は無事だったので食料は何とかなりそうだが、
問題は、金だ! 宝物庫以外にも多少はあるが、
とても商人に払う金も足りないし、衛兵に払う金も足りない。
残された道は2つ、各諸侯に臨時の税を課すか、
他国に一時的に援助してもらうかである。
各諸侯も、まだ賤族との遊撃戦が燻っており、
とても臨時の税には、「はいそうですか」とは応じられないだろう。
元大三元帝国、今は新民主主義共和国というらしいが、
モルゴンで戦争したばかりだし、金は貸し手はもらえないだろう、
逆に機会とばかりに、攻めてくるかもしれない。
後は、ヤシリギ・ルガトルポ連合とダンジョン協会だが、
貸してくれる可能性は薄い、八方塞がりだ。
それに、教会の連中は、自分に疑いが掛かるのを避けるために、
地方に巡礼に行くと称して逃げ出しているそうだ。
しかし、あれだけの金品、魔石、ポーションが市場に、
流れれば分かるはずなのに、まったく形跡がない、
いったいどうなっているのだ。