482 ジンギギスタン9
ヤシリギ共和国国境砦難民。
「はあ、参ったな、別にこの砦を占拠するつもりは、
無かったんだが、数に驚いたのか領主と兵が逃げるとは」
「急に来たから、驚いたのか食料も置いて逃げましたからね」
「でも、女、子供も含めたら3千人だ、秋まで持つかどうか?」
「それに噂では、うちを討伐するための軍を編成中だとか」
「責めて、武人として死にたいものだな」
「ほう、なかな殊勝なやつだな」
「貴様、どこから入ってきた」
「う、体が動かない!」
「暴れられても困るから、話が終わるまでは拘束させてもらうよ」
「何を言っている、そんな変な仮面を被ったやつを信用できるか」
「信用できるかはともかくとして、ジンギギスタンの国境の砦は、
俺の部下が落として、今はもぬけの殻だ、国に帰るつもりなら、
今が絶好の機会だ」
「それと、これをやろう」
星野が言い終わると、机の上にポーションと魔石をぶちまけた。
「こ、これは?」
「どこぞの教会から頂いてきた、ポーションと魔石だ」
「こんなに多量にくれるというのか?」
「元は、お前たちの物だろうから、構わん」
「それと、このパンをやろう」
星野は、机の空いたところに、M〇YABIのパンを、
10個並べた。
「このパンと同じものを、ジンギギスタンの砦に3千個用意してやろう」
「早くいかないと、狼に食われて終うかも知れないな・・」
「なぜ我らを助けようとする・・」
「まあいい、礼を言っておこう」
難民の先兵が、ジンギギスタンの砦に着くと、
そこには、手つかずのパンやパスタ、缶詰が多量に置いてあった。
缶詰や羊羹は、説明書まであった。
「我々に運命の選択肢が来たということか、神が望むならやるしかないか」