480 ジンギギスタン7
「参ったな、本当に食糧、どこにも無いわ」
「秘密の地下通路でもあるのかと調べたが無いし」
「なぜ無くなったのだ」
「無くなっちまったもんは、しょうがないじゃないですか?」
「それより俺、昼飯も食って無いし腹減りました」
「腹が減っては戦ができぬと言うからな」
「中央は、時間が掛かるから、先ずは辺境伯に頼もう」
「お前も一緒についてこい」
☆ ☆ ☆
「はあ? 食糧が突然無くなったから支援して欲しい?」
「バカも休み休み言え」
「第一、君たちは、私の私兵ではない、
王宮から派遣された近衛兵ではないか」
「食糧の問題は、王宮に言え!」
「そこをなんとか、お願いいたします」
「畏れながら、当方も秋の収穫が終わるまでは、
そちらにお回しするだけの食料はございません」
「誠に申し訳ございませんが、お帰りください」
★ ★ ★
「隊長さんよ、どうすんだ、俺は雑草食うのは嫌だぜ」
「とりあえずは、差し障りの無い武具を売って、
食糧に変えるか」
「でも、難民が攻めてきたらどうするんですか?」
「その時は、栄誉ある撤退だ!」
「食い物無しで、戦ができるか!」
「とりあえず、王宮に緊急の使者を出そう」
つづく。