479 ジンギギスタン6
ジンギギスタン王城で盗難があった同じ頃、
ジンギギスタン国境の砦で問題が発生した。
「料理長、俺は食いっぱぐれが無いて言うから、
軍に志願したのに、前戦でこれはないよな」
「そう文句を言うな、儂も苦労して無いもので作っているんだぞ」
「そうだったな、愚痴を言ってすまん」
「しかし、辺境伯と中央のいざこざはなんとかならんのか?」
「お互いが、この砦の分は、辺境伯が出せとか、
いや、中央からの出兵だから中央が持てとか、言い争いをしているし」
「このまま、追加がこないと1週間で食糧無くなるぞ」
「そうだな、それは困るな」
「ん? 料理長、何か俺の前から食糧が消えたように見えたんだが、
気のせいか?」
「いや、気のせいじゃないぞ、食糧がドンドン消えていく」
「こりゃ、どうなっているんだ?」
「とりあえず、隊長に連絡してくる」
☆ ☆ ☆
「た、隊長大変です!」
「どうした、そんなに息を切らして、難民が攻めてきたか?」
「いえ、し、食糧庫の食料が突然消え去れました」
「はあ? 盗賊でも入ったのか?」
「いえ、目の前から忽然と消えました」
「そんなばかな、よし食糧庫に行くぞ」
★ ★ ★
「本当だ、もぬけの殻だ、まさか商人とかに横流ししたんじゃないだろな?」
「そんなことは、しませんよ、料理長と俺で食糧の在庫を見ていたら、
本当に忽然と消えました」
「取りあえず、総出で食糧を探すぞ!」
つづく。