478 ジンギギスタン5
私、ムンフエルデネ・アマラーは、
ジンギギスタン第一聖騎士団と相談をするべく、
王城に登城したが、王城はいたって静かだった。
王城の宝物庫から、宝物が盗まれたのが気づかんのか?
私は、第一聖騎士団隊長に、ポーションを20個、教会に、
注文しておいたことを伝えた。
まあ、20個程度では、焼け石に水だが無いよりはいいだろう。
とりあえず下城しようとしたら、王城が慌ただしくなった。
私は、衛兵を捕まえて、どうしたのか問いただした。
「実は、教会に保管されていたポーション、
魔石がすべて何者かに盗まれたらしいんですよ」
「今、教会では、上を下への大騒ぎらしいですよ」
「それが誠なら一大事ではないか」
ん、あの白い布の中にポーション類はあったのか?
宝物庫の盗難は、まだ気づかれておらんのか?
そんな思案をしていたら、声が掛けられた。
「おお、ムンフエルデネ・アマラー第二皇太子こちらにおられたか」
「緊急で会議を執り行うので、鳳凰の間までこられたしと王からの命令だ」
「分かりました、今すぐ参りましょう」
鳳凰の間に行くと、もうかなりの諸侯、閣僚が勢揃いしていた、
その中には、教皇もいた。
場が重い雰囲気の中、教皇が自ら口を開いた。
「今朝、ポーション、魔石がすべて何者かに盗まれた」
「今犯人を調査中だが、諸侯、閣僚にも協力して欲しい」
「そしてこの事は秘密にしておいて欲しい」
おいおい、衛兵まで知っていたんだから無理だろう、
対応策を色々話し合い、戒厳令を引くことに決まった時、衛兵が来た。
「畏れながら、申し上げます、念のため王城の宝物庫も確認しましたところ、
宝物がすべて盗まれたことが判明しました」
その後は諸侯、閣僚の、教会と親衛隊への非難合戦となった。
つづく。